[14284] 楠 |
福管理人 2017/05/18 11:20
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| 子供の頃、よく遊んだ神社の古木で、新枝の出る頃に枝に縄を結び付けて神主さんに危険だからと云って叱られながらよく遊んだものだ。
この遊びはこの近所の子供の遊びのステイタスでもあった。 「遊び」と云っても360度回転する様なサーカスに似た怖さ知らずの遊びで、木も大きいし、この程度の「遊び」が出来なければ、仲間に入れてくれない。
何故ならば、いざと云う時には逃げなくてはならないからだ。 それには俊敏性が必要でその俊敏性を競い合うと云う事もあった。 それで子供のグループの中での主導権が決まる。
そもそも当時は、「ブランコの縄」を自分で編むところから出来なくてはならないからだ。 リーダーがそれが出来なくてはこの遊びは成り立たない。
そこで、一句
大楠の ブランコの枝は 今は幹
この超古木の楠木は太さなどでは表現できないくらいで、平安初期からの古木である。 平安の姿をした人々が此処で泊まり休んだりした。
古木をよく見ると、昔、平安期から子供も同じ様な遊び事をして遊んだと観られる傷跡が観られる。
この熊野古道の史跡は、何も「歴史の史跡」だけではなく、「子供の遊びの史跡」でもあるのだ。 古いと云う事だけではなく、「人間の生き様」を遺した古木でもある。 歴史を紐解けば、この古木の前付近で、現実に主導権争いで殺戮があった。
もっと云えば、民主主義の世界と云えども、突き詰めれば「理想」では無く、「人の世界」も同じ様な「主導権争い」で決まる。 未だ変わることなく「無常の世」でもある。
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