青木氏氏 研究室
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  [No.294] 中国の新幹線脱線事故(潜在的欠陥)−1
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/06/22(Sat) 10:20:03

[No.788] 中国の新幹線脱線事故(潜在的欠陥)
投稿者:福管理人 投稿日:2011/07/31(Sun) 16:37:32


中国列車事故に関してレポート
福管理人
2011/07/28 13:59 - パソコン
  中国の新幹線脱線事故
(潜在的欠陥)
序文
現在、以前より強気の発言が話題に成っていましたが、中国の表向きの威信を掛けての事だっただけに衝撃的な問題と成っています。筆者は当初よりこの問題には危険なものが潜んでいると技術者として疑念を抱いていました。図らずも中国が何と”日本に進んだ新幹線の技術供与をしますよ”と虚勢と威しを掛けてきたその直ぐ後にこの事件が起こりました。真実味の無い無知な国民を騙す共産党の国威高揚が招いた事件です。恐らくは真因をぼやかした原因説を出す事は判っていますので、そこで筆者の前からの疑念を敢えてこの際に披露しようと考えました。なかなか特別な領域の技術問題ですのでこの様な真因を判断出来る技術情報を把握している人は少ないと考えて投稿します。
多少、専門的内容を記述せさることに成りますが「潜在的欠陥」をより詳しく網羅させる必要からとご理解ください。
本件は今投稿中の「青木氏と神明社」のレポートに記述した「物造り」に真に関係する内容の決定的な例としても取り上げられるものですので敢えて論じます。
実はこの問題は歴史的な専門的立場からも観ると、明らかに「石は薬」「法より人」の中国の思考規準に影響した「潜在的な事故発生要因」が大きく潜んでいるのです。

「事故の相関性」
そもそも車や列車の高速化は常時ブレーキの制動力と相関していて命です。
後のパーツは常時の直結の人命の事故には繋がる可能性は有りません。せいぜい複合要因にての結果と成るでしょう。しかし、この事故は明らかに高速化=ブレーキ制動力=命の関係にあります。
それだけにこの事故には幾つかの要因がある中で、主に中国の「潜在的欠陥」の体質が働いた「ブレーキ制動力の事故」と云ってよいものです。
従って、真因を解析して判断するにはかなり専門的な工学領域の高度な幅広い綜合技術知識が必要と成ります。それも開発担当域の限られた技術者のノウハウの領域と成ります。
つまり、技術的に政治的に真因が解明され難い事故ともなり、且つ中国の置かれている立場と国民性が更に左右してしまう事故と成ります。

そこで、「青木氏と神明社」の論文に「物造り」の事として記述している事が真に一つの事例として現れてしまいましたが、当初より何か起こると気にしていた事なのです。

「高速化制御システム」
さて、上記した様に、それは高速化を制御する「列車管理システム」と「高速列車のブレーキ制動力」との相関問題にあるのです。中国はこの領域までの知識は到底ないと考えますが、全体として外国技術を習得し切れていない「付け焼刃的な現状」にあると考えられます。
中国はこの高速列車を主にドイツ、カナダ、日本の3国の列車技術の殆どの部分で導入しています。
外国技術は高度であり、且つ寄せ集めの先端技術である為に余計に複雑化して充分に短期間(4年)では習得は出来ていないと考えられます。列車の操作力は勿論の事、列車生産に関わる3国の異なる技術的ノウハウ等の取得は皆無に等しいと考えられます。そもそも教える方もこの短期間では困難です。
それだけの基礎力が元々無かったのですから、この短期間で扱いこなすにはこの複雑化した現場では習得し難いものと成り得ている筈です。「四苦八苦」が正しいのではないでしょうか。
中でも本文の「列車管理システム」のノウハウと「ブレーキ制動力」のノウハウの2つは最も命に関わる事でありながら、それだけに理解し習得に至るまでには最高度の難しいノウハウと成る筈です。
先ず無理であろう事が判ります。
中国当局がどんなに「虚勢」を張って国内向けに発言しても我々技術部門に直接携わった者から見れば「空虚」そのものであります。
先ずは、中国の「列車管理システム」はヨーロッパ統一の「ETC管理システム」を導入していますが、日本の列車(川崎重工)は異なる「ATC管理システム」で出来ています。
何れも「自国製」と発言していますが、この「虚偽の発言」そのものが無形の「潜在的欠陥」ではないでしょうか。

「高速化ブレーキ制動システム」
次ぎに、事故の追突された列車はカナダ製です。後ろの追突列車は日本の川崎重工の列車です。
ここでこの2つの列車には運用具合に依っては決定的な命に関わる違いがあるのです。
それはカナダ製のブレーキの制動力は山形制動の方式です。日本の列車は全て楔鍵形制動です。( 〕印を左横に倒した楔形の制御)
同じ線路上で、同じ列車管理システム上で、2つの列車の高速時のブレーキ制動力が著しく異なり、且つ、その制動方式も全く異なるシステムと云う極めて危険な運行状況です。考え難い組み合わせと成ります。
今だヨーロッパも日本も開発しきれていない相当な極めて最先端の「列車管理システム」でなくては安全運行は出来ないのではないでしょうか。
まして、この「2つの方式」の制動力の持つ中で、且つ外国から購入したこの混成列車の中国では、それまでは列車の管理は殆ど人為的に行われていたのですから、この複雑な条件をこなすシステムの開発は到底無理である事は云うまでもありません。

そもそも、つまり高速に成るほどブレーキは制動力が落ちますが、「2つの方式」の制動力が同じと言うことで有れば問題ありませんが、諸外国製のブレーキは高速に於いてはそもそも効き(制動力)が悪いのです。その為によほど手前からスピードを落としながら制動しないと停車位置に止まらないのです。
次第に速度を上げ最高速度に到達すると今度は次第に問題の起こらない速度まで落としてブレーキを制動して停める山形制動です。
日本はすぐに速度をピークに上げてそのままに維持し停車直前でブレーキを制動して定位置に停める楔鍵型です。(くさびかぎ形)
これは「方式」が違う、「制動力」が違うの話では無く、「技術力の差」なのです。
これはブレーキの技術力の開発差から来ています。つまり、殆どは金属冶金工学の技術力の差で日本は段突に進んでいます。

「摩擦熱400度と350K/Hの関係」
そこで上記した「問題の起こらない制動ポイント」とは、技術的に「摩擦熱が400度」のところを限界としています。これは大変に重要な要素なのです。
高速での制動は摩擦熱などによりかなり高温(日本は400度限界)に成りますので、普通の冶金学と機械工学の範疇では本来はブレーキそのものが造れないのです。ところが日本のブレーキはこれを解決していてこの相当な企業秘密ノウハウを占めています。
ところでこの「400度と云う温度」が金属にとって非常に厄介で問題の多い温度域で、金属の結晶に大きく質的変化を与える温度域なのです。
更に高速でブレーキを制動するとしますと当然に低速のものより摩擦熱が数倍に上がりますので、その400度の薄赤くなった金属には、溶接やボルト締め等の普通の機械的な処置が強度的に低下してしまい、使えないし加工は出来ない事になります。
ではどの様にしてブレーキの「焼結パット」を取り付けるか、又列車本体に取り付け固定するか普通の既存の技術的な方法では通用出来ない範囲なのです。
金属が温度が上がれば柔らかくなるのは当り前ですから普通の固定方式では成り立ちません。
この400度と云う温度は、鉄系の金属にとっては金属の性質(特性)が変わる限界点で、これ以上高く成ると金属の結晶構造が変わるので、普通の金属では機械的強度は絶えられません
鉄系の金属では500−650度の範囲までは「特性温度域(再結晶温度域)」と呼ばれ鉄系の中に含まれる炭素と融合(溶融結合)して「結晶構造」も変わり、それに伴ない更に別の性質(特性)に変わって行きます。この中間温度域(特性温度域)はそれなりに熱処理として多くの使い道があるのですが、ブレーキには柔らかくなる事も然りながら、絶対的に好ましくない「臨界的な温度域」であります。
逆説的に云えば、「摩擦熱」などにより上昇するこの直前の「400度と云う温度」が「ブレーキ構造方式の限界域」で、これ以上に摩擦熱が上がりますと「臨界的温度域」(特性温度域)に達する為に、リニヤーなどの列車の走行方式等の別の方式に変えなければならない温度域と云う事に成ります。
この「400度と云う温度」に達する速度とすれば350K/Hを限界としているのです。
これ以上の速度でブレーキ制動するとブレーキは破壊する温度域なのです。たとえ350K/H以上出せたとしてもです。400度=320K/Hを順守する必要があるのです。
ですから世界の先進国はより高速制動にする為には500K/Hのリニヤーの開発と成っているのです。

「400度の問題点と解決技術」
そこで開発の限界点とも云える高速350K/H以上の列車を開発するのは摩擦熱が上昇し著しい欠陥が露出する為に物理的(冶金学的)に困難ですが、この限界の手前の400度の温度域(高速320K/H以下)でブレーキ構造方式とするには次ぎの特別な解決手法の開発が必要となります。
解決手法
主に4つの部品に研究を加えなくては成りません。焼結金属のパッド、パッドを取り付けるプレート、このプレートを摺動移動させる案内プレート、この案内板を固定するプレートです。
この「焼結金属の組成配合」と「3つのプレート」に「400度」の上下の熱影響を繰り返し受ける事に成りますので、この「4つの部品」を先ずはどの様にして固定するかとなります。「固定の問題」です。
それと「金属的に、組成的に、機械的」にも解決する必要が出て来ます。
溶接やボルト締めでは熱で軟らかくなり使えないと共に、且つ繰り返しの「高温の熱疲労」で直ぐに金属疲労破壊してしまう欠点を持っています。
まして「400度」なので最も厄介な難問の「低温の脆性破壊」も起こります。
(脆性の怖さ)
鉄系の金属の脆性破壊には次ぎの3種類があります。
A:−20〜−80℃の「臨界域脆性」、B:300〜400℃の「低温脆性」、C:850〜900℃の「高温脆性」
Aは寒冷地で起こります。Bは本論 Cはこの温度域で加工して常温、低温域に戻した時に起こります。
Cは「鍛造」や「鋳造」や「熱処理」や「圧延」の加工の時に起こります。
Cはこの脆性をなくす為に上記した「特性温度域」(再結晶温度域)で熱処理を施してなくす事が出来ます。

A〜Cは常温と発生温度域を繰り返し上下すると著しく脆性現象が強くなります。
従って、「熱の繰り返し疲労破壊」と「脆性破壊」が同時にダブル発生してしまうのです。
高速列車の「ブレーキ部品」はこの「3つの脆性域」に関わっているのです。(Cは処理済)

「取り付け方」と「熱の繰り返し疲労破壊」と「低温域の脆性破壊」(A、B)の「3つの問題点」が露出して来ますのでこれを解決しなくては成りません。

(「3つの問題点」と「3つの脆性域」)
この「低温脆性」の温度の上限が400度(下限300度)ですが、制動していない時の低温の温度域が何度に成るのかは列車の「操作のノウハウ」に大きく関わることなのです。
当然に操作が未熟であれば400度を超える場合が有ります。この温度を超えると云う事、「操作が未熟」と云う事はそれは単純な話ではありません。
何度か走行中に常習的に繰り返すと上記の「3つの問題点」が露出して即「ブレーキ制動力の低下」のみならず「ブレーキ破壊」へと繋がるのです。
今回この事が確実に起こっていて大事故と成った事も考えられます。
例えば、「未熟」とは車で長い下り坂道でブレーキを踏み続けると熱を持ちブレーキが効かなく成ります。その為に上手くエンジンブレーキを加えながらスピードを落としてカバーします。この概してこの操作ノウハウと同じ理屈です。
中国は未だこの「未熟の領域」にあると考えられます。
場合に依っては「中国の国民性」が影響してここにも「潜在的な欠陥」とも成り得ている可能性も有り得ます。筆者はこの説を採っています。

「3つの問題点」と「速度超過」
当然に上記「3つの問題点」と同じ現象を示す「320K/H以上の速度」を超えての操作を繰り返し摩擦熱が400度以上を超えて上昇し過ぎた事でも起こる訳ですから、この「操作の未熟さ」と「限界速度オーバー」は同時に起こる事に成りますので両方から痛めつけられて「極めて危険な状態」が起こっていた事に成ります。
(この「3つの問題点」は専門的な立場からすると金属面に特徴ある破面が出ていますので比較的簡単に目視でも解析できます。誰でも判る事では有りませんが専門の「破面工学」を取得した技術者であれば観れば直ぐに判ります。)
中国は”常速 350K/H以上で走行する世界一の新幹線”と虚勢を張りと鼓舞していましたから列車のブレーキに「3つの問題点」のダメージを確実に与えていた事に成ります。証拠の事実です。
中国のこの発言は、専門的に見ると”何時大事故が起こっても不思議でない状況である”と発言している事と同じなのです。

「寒冷地仕様の欠陥」
この摩擦熱の400度に加えもう一つ問題があるのです。
それは自然環境です。中国は冬は極寒の地(−50度)がありますので、この400度との「温度差域」が500度以上に成ると技術的に耐えられない領域と成る特性問題を持っています。
勿論、極寒温度でも上記したAの問題でもこの「温度差500」と並行してがダブルで起こる事に成ります。
金属の組成上からの臨界点(−80度)に近くなり、この「熱差」と「繰り返し」による「金属疲労の発生率」が極めて高く成るのです。先ず本件の対策を加えないと全く使えないのが普通です。
ところが全く鉄系の金属は、ある限界の範囲で「特殊金属」を加えないと使えないのですが、この特殊金属の添加が逆効果になるのがこの「寒冷地仕様」なのです。極めて難解なのです。先ず”諦める”が常識です。今は未だ発生していませんが、日本の環境とは違うために中国国内では事故の発生率は明らかに高い筈です。(日本では高速化の東北地域は−20前後ですから一応の対策は可能)
この問題(高速化寒冷地仕様)も中国では到底解決していませんし、その開発手法と能力は中国には基よりないのですから確実な「潜在的な欠陥」と成っています。
まして日本でさえも何ともし難い技術問題の「潜在的欠陥」が潜んでいるくらいなのです。
日本では輸出用には自動車や生産機械でも「寒冷地仕様」として開発していますが、精度問題は別として、高速列車では中国では現在この「寒冷地仕様」の問題は未だ起こっていませんが、必ず冬には起こる筈です。その証拠に自動車は必ず起こっている現状なのです。
この「寒冷地仕様」では、高速のみならず「ブレーキ制動前の時の寒冷地温度」から「ブレーキ制動後の温度差」が「500度差域」に成ると、鉄系金属では金属内の結晶構造が変化する為に応力差が生まれる為に、更に重複して避けられない欠陥に成るのです。
車のブレーキの制動でも起こりますが、これと異なり高速列車の場合は温度差が余りにも大きくなるので必ず起こる問題なのです。
そこに「未熟度のエラー」が加わると「寒冷地の欠陥」のみならず通常の「500温度差域による欠陥」も重複して平行して起こりますので事故に繋がる事は必定と成ります。

(日本側は所定の期間1年の講習を要求したがたった10日間で打ち切ってしまったと発言していますので、習熟度は先ず「無い」事に成ります。つまり「未熟度エラー」は確実に起こっている事を意味します。)

依って、詳記した「500温度差欠陥」、「400℃欠陥」、「350K/H欠陥」、「寒冷地欠陥」、「脆性欠陥」、「3つの問題点」「高速化ブレーキ制動システム」「サージ欠陥」等の充分な習得はまず無い筈ですからこれらの欠陥は必ず起こっている事は間違いありません。
これに「高速化の習熟度によるエラー」が加わりますので疑う余地はありません。

高速化に依って高温差化するとこれを繰り返すと「熱疲労と脆性の疲労破壊」が避けられないほどに極めて高くなるのです(逆に熱暑地仕様もあるが中国では問題ない)。
自動車の領域で起こる問題と比べられない程に極めて危険な問題となるのです。
因みにロシアの自動車が、あれだけ進んだロケットや人工衛星など高度なものを造れる国が自動車がまともに開発製造販売が出来ていないのです。
中古を含む日本車90%に頼っている現状ですから、それは「寒冷地仕様」の対策が極めて高度な技術力を駆使しなければ成らないからで、それを充分に解決し得るノウハウの開発が出来ていないからなのです。「寒冷地仕様」は基より物理的に難しいのです。
中国も奥地はこの「寒冷地仕様」に準じます。
高速列車の「寒冷地仕様」は、今までに輸出と云う形態までに至っていなかった事から中国に輸出する分に対しては、日本での寒冷地仕様の範囲である筈で、明らかに「未開発の部分」では無いかと考えられます。やろうとすれば日本の輸出自動車は完全に「寒冷地仕様」は完成していますので直ぐに応用する事は可能ですが、中国用のものには未だ開発し適用していないと考えられます。

(開発メーカーは列車メーカーではないし、開発と試験が難解で短期間である為に現在では困難)

この「寒冷地仕様」が施されていない高速列車では冶金・金属工学上から観てブレーキ関係は云うまでも無く、本体そのものの鉄系車軸や伝道軸や鋳物や鍛造等の熱処理部品に対して上記の「3つの問題点」が顕著に現れることは必定です。少なくとも軸が折れるか変形する等の問題が出てくる筈です。
これからは寒冷地の「潜在的欠陥」の露出として出てくる事が考えられます。
より「潜在的欠陥」に対して厳しさが増します。
この「寒冷地の欠陥」は冬場に部品に破壊が起こり潜在して、これを過ぎて気温が高く成る直前で事故に繋がる欠陥が露出して来る傾向があります。
高速ブレーキ制動の分野に限らず全体で起こると考えられます。つまりこれも恐ろしい中国の「潜在的欠陥」であります。
恐らくは、日本の寒冷地仕様より−30度程に厳しい環境にある事を承知していますから、日本側は何らかの条件を付加して「列車運行の条件」として伝えている可能性が考えられます。
問題はそれを理解して護るかによると考えられ、国民性や国威高揚などの政治状況から観て疑問を感じます。
しかし、もとよりこの「寒冷地仕様」によって起こる欠陥を見抜き解析して対策まで持ち込むノウハウが中国にあるかは大いに疑問です。
確かに”日本の東北で走る列車仕様の前形式を技術移転した”と伝えられていますから、ある程度の寒冷地仕様が施されていた仕様になっているかも知れません。
ただ問題は上記した「未熟操作」が更に「3つの問題点」の危険性を著しく高めますので安心できる範囲ではありません。
又、何れにしても寒冷地による「脆性疲労破壊」がブレーキは元より列車本体までにも働く可能性が有りますので、それがブレーキ制動力にどれだけの影響力を与えるかの問題もあるのです。
恐らくはこの現象は「激しい振動」と云う形で露見してくる筈で、それがブレーキの制動力とその部品構造に特化されてくる筈です。
現象としては、主に「振動疲労」による「ミクロクラック」が発生して、最後には「疲労破壊」に繋がることが考えられるのです。
(この欠陥は特長ある破壊破面を呈し目視でも確認出来る。日本の専門家に見せれば一目瞭然で判定できるので見せないでしょう。)
それを防ぐ「高速化の管理保全」が出来ているかによりますが、短期間の間に成せる保全問題ではありませんから無いと考えます。

「寒冷地の現象と欠陥」
寒冷地は金属の分子運動が止まるか緩やかに成る為に金属の弾性力が低下して破壊に直接繋がるのです。最も怖い欠陥で、幾つかの技術的な方法が専門的にはあるのですが、何せ分子運動が止まるとなる事は金属の仮死状態を意味しますので、処置の施し様が暖めると云う方法以外に有効的な方法は無い事を意味します。

(過剰にすると逆に成りますが、ニッケルを加えて結晶を細分化する方法や、500度から650度で熱処理を施して結晶を均一にして細かくする方法で加工して使う方法もありますが、完璧な方法とは云えず暖めて400温度差に保つ事が最も簡単で効果的なのです)

この対策が中国に於いて成されているかは問題で先ず無いと考えられます。
そもそも特に上記の高速の対策として用いた「特殊金属」は寒冷地に対しては金属の仮死状態が起こって「弾性力の低下」が起こりますので、「特殊金属の弾性力の低下」と合わさって逆の現象を引き起こすのです。従って高速列車のブレーキ制動力に主眼を置いているので「寒冷地仕様」は完全ではない筈です。
日本に於いては寒冷地対策は車、列車、工作機械、等には施されています。東北新幹線と山陽新幹線の走っている列車が混在させずに異なるのはこの事から来ているのです。
日本などでは一定率の「列車管理システム」を保つ為に「寒冷地の列車」には充分な仕様で設計されて管理されているのです。

「部品の固定方式の開発」
兎も角も、寒冷地に於いてでさえもブレーキ制動ではその最たる影響を受けますが、先ずは日本環境の範囲として「普通仕様」で考察すると、そうすると後は機械的、物理的に考えられるのは「圧入方式」か「焼バメ方式」ですが、「焼バメ方式」はもとより同じ400度ですので締まらず使えません。
(温度差は500度以内が仕様限界)
残るは「圧入方式」だけですが400度の温度に上がっては圧入は緩み効きません。
この2つの加工技術の使用温度がこの400度であるのはこの領域を超えて加工すると金属の組成上(パーライト)の強度的問題が冶金学上で出るからなのです。
この制動で発生する摩擦熱も偶然にも400度です。従って、高速350K/H以上でのブレーキの掛け方如何ではこの400℃は更に上がりますので、限界の制動領域を超え開発能力以上の限界を超えますので、著しい制動欠陥を露出する事に成ります。
果たして中国の「未修得の操作能力」が低い場合はここでも「潜在的欠陥」を潜んでいるのです。
実質1年程度のトレーニングという事で計画されていたすのですが、それを”10日程度で切り上げた”との情報を考えると、此処暫くは「未修得」が「潜在的欠陥」と成り得ます。
(350K/Hの意味)
日本の新幹線は350K/Hの下の320K/Hとしている一つの根拠はここにあるのです。
何も350K/H以上を出せないとする訳ではなく、ブレーキ制動の限界点だからなのです。
”350K/H以上の高速で走った”として自慢下に誇示していましたが、この事の技術問題を知らない事を自ら露呈したのです。全体のノウハウの未熟度を自ら認めた見苦しい虚勢です。
確かこの限界を超えた速度で走行して本体が耐えられない激しい振動に見舞われ列車に亀裂が入りなどして指定の速度に下げたとしているのです。
まだまだ上記した「潜在的欠陥」が露出してくる事は間違いは有りません。日本からの早期に技術指導を受けない限りは大事故と成るでしょう。
恐らくはこの振動の原因の一つはブレーキの制動を超えたところで摩擦熱が400度を超えて限界温度500度に達してブレーキ制動が空効きになり、その振動のパラセーションがタイヤ(車輪)に加わり車体本体を激しく刺激したと考えられます。
恐らく、この時、摩擦熱500度以上に達して後続のブレーキ制動力が破壊するか等を起し効かなく成っていた可能性があります。
謳い文句の350K/Hを取り下げてその高速をその事故の為に運行走行速度を250−300K/Hに下げたとしています。ブレーキ制動における設計限界である事を知らずに。とりあえずは一時的速度では欠陥を出さずに成った事に成りますがブレーキ制動のノウハウの未修得で起こる問題は解決していません。
これは上記する高度な基本設計の冶金的知識の習得は先ず無く、感覚的に激しい振動が何かを引き起こすと考えたものと観られ、変更を余儀なくされたものであろう事が判ります。
この行動は真に知識の底を露呈した愚かな醜態に他なりません。

速度を上げれば何でも上げられると云う「石は薬」「法より人」の感覚から出た中国人らしい論理性のない発想です。
恐らく、日本人から観ればこの雑な感覚は、直ぐには直らず今後も続くだろう事から、これからもこの様な国民性に潜む「潜在的な欠陥」の醜態を示す事に成ると観られます。
兎も角も、ですから「潜在的欠陥」に関しては中国は「事故の情報」のそのものを隠す以外に方法が無い事を物語ります。

「技術開発点」
そこで、中国の怠惰な実情を気にかけながらも、兎も角も日本の技術開発の努力とその経緯から考察して観ます。
中国に日本の次のような開発努力を知るまともな技術者が少ないのかも知れないけれど居た筈です。
(筆者も冶金に関する実習留学生を承知しているが、小さい力のために基本の技術習得が無視され「政治力」が優先されたのではないか)

上記する「3つの問題点」を解決するには次のような開発をしたのです。
日本の開発はそれはこの400度の限界を超えない範囲で要は温度がどんなに上がっても緩まずむしろ締まるようになり、且つ金属に関する疲労、脆性等の問題を起こさない様にしなくては成りません。
上記する金属的に起こる問題を色々な「特殊金属」(下記)を組成に加えて特殊金属板を造り熱に対する欠点を解決して、且つその加えた「特殊金属」によって逆に熱が掛かると一定以上の圧入力(取付力)が増加する様にしなくては成りません。この領域は真に自然物理の矛盾です。
「特殊金属」の「種類とその配合率」と、「圧入代」と、「熱膨張係数の差」と、「耐熱性の向上」とこれ等処置による「組成上の競合欠陥の防止」を解決して、丁度良いポイントの探求が必要に成ります。途方も無い総合知識の研究です。
その難しさはこの「競合欠陥」です。
「特殊金属」はある種の特性を引き出す手段によく用いますが、この金属を加える事に依って「鉄系金属」には、同時に逆の事も起こる特質を持っています。
この「鉄系金属」にはこの種の「特殊金属」は「人間の拒絶反応」と同じ現象を起す性質を持っていて、ある一定の範囲までしか受け付けないのです。一定を超えるとあらゆる機械的な強度や特性の低下を引き起すのです。

(「特殊金属」とはマンガン、モリブデン、クローム、コバルト、マグネシューム、タングステン等でこれに対応してニッケルを補填して「特殊金属」の弊害を少なくする為に同時に適量を加えます。
例えば、18−8ステンレスにクロームを加えて強く錆びなくしていますが、これに対してニッケルを加えて弊害を抑えているのはこの為です。この特殊金属は夫々特徴を持っているのです。)

この「特殊金属」を適材適量に加えるだけでは解決しません。
実はこの世の全ての物質には温度を上げ再び下げて来ると「スパークーリング現象」と云う特殊な現象を起す特質を持っています。同じ上昇したライン上を温度を下げると別のライン上で下がって来るのです。
その為に「ズレ」が2ポイント発生します。この2つのポイントの一定の温度間隔域に金属の組成を納められれば下記の「研究課題」を解決する事が出来る事に成ります。

(現象の発生メカニズム)
この現象は”何故起こるのか”と云うと次ぎの様に成ります。
温度が上昇するとある温度域で結晶構造が変化します。この為にその変化のために必要とするエネルギーが奪われて一時温度が下がります(ポイントA)。 そして変化が終わると又上昇します。
今度は上昇したラインに沿って温度が下がって来ると元の上昇して変化した「ポイントA」で同じ現象が起こる筈ですが、ところが起こらずある温度範囲がズレて「ポイントB」で変化が起こるのです。
そしてその変化が終わると再び元の上昇のラインに沿って下がって来ます。
このポイントAとポイントBには一定の温度差域が出来ます。この温度差の領域を上手く使えば温度上昇に依って緩むものが締まる事にも成ります。
本来は論理的にポイントA=ポイントBである筈ですが、このポイントが物質に依って顕著に出るものとそうで無いものがあります。
且つ、この温度域にも大小のものがあります。特に金属には顕著に表れるのですが、この特性に着目してその「温度域の巾」を大きくすれば使えることに成ります。
特殊金属(ニッケル等)を投入して結晶を微細化させるとそれが顕著に表れるように成りますので、そのポイント域(A−B)を上手く使えば上記した研究課題が成功するのです。(現場ではノックピン方式と呼称)
このポイント域(A−B)では、上記した別の変化、つまり、その「金属の特性変化」でも「結晶の中間域」(特性の中間域)が発生しますので、金属は安定し変質化しないのです。
この「ポイント域(A−B)」即ち「中間域」では上記した特殊金属の特性が効果的に働きます。そして「拒絶反応的な事」が起こり難いのです。
つまり、「ブレーキ制動」に依って摩擦熱で温度が上昇し、又下降すると云う現象を繰り返しますので、この「スーパークーリング現象」が常に起こる事に成ります。
鉄系で云えば普通はポイントAは500度付近で起こります。そしてポイントBは400度にズレます。
ところが上記の特殊金属等を入れますとこのポイントが変わるのです。
この特殊金属は鉄より溶融点が高い事等の理由の為にポイントAが下に下がり合わせてポイントBも下がります。
そうするとポイントAを400度にし、ポイントBが300度の付近に持ち込めばこの研究課題は成功する基本に成ります。
この熱エネルギーの「温度の変化の中間域B」と共に、上記した結晶構造が変化する過程でも「特性の変化の中間域A」が起こります。
この「中間域A」でも特性変化する為に多少変化のタイムラグ域が起こります。このタイムラグ域も含めて「2つの中間域A,B」はほぼ同様の温度域で起こりますのでポイントAとポイントBを解決する事で「2つの中間域の活用」は解決する事に成ります。
以上の様にかなり特域の専門的な冶金金属の技術です。

(現在では、この「中間域A、B」の領域の特性を精密機器の部品によく用いられる様に成っていますが、「特殊合金鋼」として当時は未だ開発に依って「企業内規格化」される程度でしたが、現在は細分化して一般規格化されています。 故に、これによりブレーキに限らず今やこの合金鋼板を使って日本の全ての精密機器や工作機械は超高精度の品質や高速化や寒冷地の対策用として作り出せるのです。)

(中国の国家戦略)
何時、中国がこの「技術ノウハウ」等を盗み出して獲得できるかに掛かっています。
つまり、自ら研究する事では無く他国のノウハウの盗作で日本や先進国に追いつこうとしている「中国の国家戦略」と成っているのです。
真に「自国製」と言われるものは今だ少なく、列車やジェット機を始めとする超高度な綜合先端技術のものは事ごとく失敗をしている中で、本論の「新幹線」は盗用の成功例と思ったのではないか。 その意味での挫折は”又か”で大きかったのではないか。”いざ”と成って見れば原因追求の技術さえも無い事を知り焦った行為であったと観られます。
要は「中国の狙い」は、この総合力の研究では、現在は未だ中国では明らかに無理でありますが、高速−制動力の関係を知っていて何時かノウハウを盗み出し自国の物にする事にあり、そのためにも故に優れている日本を代表する川崎重工のこの「制動ノウハウ」のある列車が中国には絶対に国家戦略上必要なのです。
ところが、共産国には「貿易管理令」により「高度な電子部品機器」や「高度な精密機器」の輸出は禁止されていて、悪質と観られる様な裏ルートの方法で機器を入手して分解してノウハウを盗み出そうとしているのです。分解して解析して何かを見つけ把握しようとする為にも国家的課題としてもこの列車は国家戦略上で代表的なものとして必要なのです。
その為には、中には日本の中小企業の倒産先からスクラップとして精密機器を頻繁に入手して持ち帰り研究しているとの情報もあり、又、中国に生産拠点を移転した中小企業が契約期間が過ぎると別の場所に移転させて生産設備を強引に奪い取り、言う事を聞かない時は移転先を認めないと云う荒手の裏手を使うと云う事まで起こっているのです。(経験談) ニュースに成っている”中古の空母をベースに自国製の空母を製作している”との情報もある位に、 「石は薬」「法より人」の思考規準に沿って、”何事何物も利用した者が勝ち”、”模倣や盗用はした者が勝ち”の考え方が徹底しているのです。
これ程に況や”喉から手が出るほど”の中国の「国家戦略」は実行されているのです。
先進国に追いつこうとすれば、韓国が日本のプラント輸出を受け、後に激しい労働争議で追い出し日本の三菱の車や家電製品のノウハウを盗み出したと同じ様にです。
韓国には、同じ儒教でありながら、違うところは「石は薬」「法より人」の思考規準が無い事です。
だから韓国の手法は成功しているのです。

続く



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