青木氏氏 研究室
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  [No.296] 787ジャンボ機に思う事(技術論)−1
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/06/23(Sun) 08:18:14

787ジャンボ機に思う事(技術論)

「前書き」
「787のトラブル」の解明が迷走している。
筆者は、これに付いて思うところがあり(下記)、ある程度の過去の「航空機の経験識」もあり、これを解明するに必要とする「物理系の専門的な技術者」でもあったので、その「技術的な意見」を敢えて投稿する。
投稿するに当り「787本機」は、国産と見なされるほどに「日本の最新技術」を駆使し、その国産率は70%と成っているし、”国産の航空機 日本の技術”の進歩と完成を夢見る技術者であった者にとっては大喜の極みである。
既に、「日本の最新技術」での「100%の国産機」が三菱とホンダで製作され始めていると聞く。
そこで、是非、安定した世界に「日本の技術」が誇れる様に、本件のトラブルの真の解決の一端になればと考え、それを願って下記にその真因を技術的に論じてみたい。
そもそも、我等青木氏族は「物造りの神豊受大神」を「親神」とし、その「子神の祖先神−神明社」を「守護神」としている氏族である。幸いそのトラブル内容が筆者の得意とする専門分野の範囲であった事から技術的な論処を以って論じて見る。
末尾にそのトラブル内容を列記しているが、「専門的な技術的観点」から検証して観ると、そのところにはある「真因」が見えて来る。
そもそも、この「787」の「バッテリー設備」は、「充電−発電−供給−保護回路」の「4ユニット」で成立っている。そして夫々のメーカーは異なる。
此処に「決定的な問題」があって、「幾つかの欠陥」に結び付きやすく問題に成り易い事が潜んでいるのだ。この事は縷縷下記で問題毎に論じるが、これは取り分け「技術に関する問題」であるので、より理解を深める為に先ずはその「基礎知識」から話を進める。

「基礎知識」
その前に、その論の理解を得る為に基礎的な事が必要と成るので「物理と電気の基礎知識」を解説する。
そもそも、「電気設備」とは、中でも「ハード回路」ではなく「ソフト基盤」(「プリント基板」)で構成された器機には設計上で想定出来ない事が絶対に起る。
(現在はどんなものでも量産製品は、この「ソフト基盤」(「プリント基板」)で出来ている。)
何故ならば、「抵抗類」や「ダイオード類」や「コンデンサー類」や「トランジスタ類」の鉱物が主体と成ってこの「4つのパーツ」を占めて構成されるからで、この「4つのパーツ」には特有の特性を持っている。
人間でもその人の特有の「性格」がある様に、「4つのパーツ」(鉱物)にも「性格」となる「特性・特質」を持っているのだ。その人の「性格」は「周囲環境」に左右し、その「周囲環境」に適合していなければ問題を起こす。
同じように、この「鉱物」には自然の一物であるので、「環境条件」に大きく左右される特質を持っているのだ。この事が「特性・特質」と「環境条件」を無視した設計でパーツや製品を作ると、その「特質変化」で問題を起こすのである。
何故ならば、この「環境条件」と一言で云うが、「世界の環境条件」には「大きな幅」を持っているからだ。
その「大きな幅」を持った鉱物で出来た「パーツと製品」は、それに対応する事は並大抵ではないのだ。
本論はこの領域の話に成るので「応用物理学の専門的技術論」と成る。
一般的には、世間ではこの論じる事柄は全く知らないで利用されている筈で、又、「パーツや製品」の使用にはその領域までの事はタッチしないでも使える。この辺が「ハード回路」と異なるところである。
むしろ、この「回路部分」には、”タッチさせない事” が注意書にも書いている事でもあるし、当然にカバーされて勝手に回路修正も出来ない事に成っている。
故に、この「787の欠陥」の事を理解しようとすると、先ず100%は無理と成り、その侭で終わってしまう。
況して、「787のトラブル原因」は、”今だ解らない”としている位で、他社がこの回路を解析出来ないのである。(ハード回路は個人でも詳細に解析出来る。)
それ程に、単純に「設計ミス」は別として、「環境条件」に因って、「部品の特質」に因って ”いざ問題”と成ると、欠陥を解明するには、かなり「応用物理の専門的な事」に成るのである。
下記の「4つの条件」を兼ね備えた技術者とすると、100万人が居たとしたら1人居るかどうかの専門的な事なのであるからだ。況して、「電気回路分野の事」「応用物理学の分野の事」のこの「2つの分野」に跨っているからだ。
この電気回路でも「ソフト基盤」の「プリント基板」と成ると尚更、専門域である。
この”片方の分野の専門知識”を得ていたとしても理解出来ないと云うこの専門分野なのだ。
この領域は「応用物理」と「ソフト回路」の両方の知識(1)が必要で、その分野でも更に専門分野(2)なのだ。
その両方の特異で高い専門域のノウハウ(3)を得ていなければ成らないと判断出来ないのである。
更に、極め付けは、上記した様に「環境条件」の「鉱物の特性の変化」を「チャンバー」と云う「特殊な装置」で再現して、実際に「世界環境条件」の中で使えなくては成らないのであるから、この「チャンバー」でのノウハウ(4)が必要に成るのだ。
この理屈の「4つの条件(1)(2)(3)(4)」は”平地での環境条件”だけの話である。
これに、「航空機」と云う条件の「特殊な環境条件」(5)が加わるのだ。
この(5)が特に問題に成るのだ。
最早、”これをまともに理解出来る専門技術者はいない”と断言してもいい位である。
そもそも、応用物理系のこの分野に従事している専門技術者は希と云ってもいい位であろう。
故に、天下の航空機メーカーも ”解らない” とし、トラブルの論理的解説も無い侭であるのだ。
約5ケ月の間にマスコミの解説でも技術的な解説は無かった。

そこで、老体に鞭を打って昔のこの知識を引き出し論じる事と決断した。
「日本の技術進歩」の為に何とか役に立てればとして論じ様と思う。
「100%日本製の航空機」の実現の為にも「詳細な技術論」を論じる。

「4つのパーツ」の構成
「抵抗類」や「ダイオード類」や「コンデンサー類」や「トランジスタ類」の「4つのパーツ」を組み合わせれば、その夫々の部品の持つ特質で、色々な別の部品を造る事が出来る。又、回路を組む事が出来る。
専門で無い方はこれ等の事が、”787にどれたけの問題に成るか”が理解出来ないと考えるので、敢えて、ここで最低理解が得られる程度に敢えて丁寧に専門知識を披露し論じる事とする。
この程度の事は事前に理解して頂きたい。

例えば、一つの例として、「抵抗」は電流を調整出来るが、これに「コンデンサー」をつなげば「コンデンサー」に溜まる「充電量」が決まる。この「充電量」を「別の回路」に流せば、その「充電量」に応じた時間だけが、他のパーツや別の回路を動かす事が出来る。
つまり、これは「微細なタイマー」が出来る事に成る。それを「ダイオード」と繋げば「流す方向」と「流す量」と「流す整流」を造る事が出来るのだ。

この様に、「抵抗」はこの様に「電流の調整」の他に、「ノイズ」や「異質信号」を強襲して吸収して「熱」に変えて潰してしまう性質もある。
「コンデンサー」は電気を溜めるだけではなく「流れ方向」や「流す量」や、「抵抗」と同じく「ノイズ」や「異質信号」を溜めて「整流化」して消してしまう性質もある。
(この様な性質が下記に論じる787の本当の原因を理解する上で重要で、この特質は、これまた「環境条件」に大きく左右するので特に留意して頂きたい。 下記で論じる。)
更に、本文中では、是非に留意して頂きたい知識を述べると、例えば、これ等の部品を使って「人間の記憶」と同じ能力の「記憶の回路」さえも造る事が出来るのだ。
これには原理的なものとして「自己保持回路」と云うものがある。
ある「信号」が入ると、その「信号」を「自分」で捕らえて回路を開き、その「信号」を「自分」で覚えておける回路を組む事が出来る。
(普通は信号は他のパーツが捕らえて、それを関係するパーツに伝達するのが仕組みである。これをシーケンスと呼ぶ。)
この「回路の仕組み」は、全く人間の脳の中で起こっている現象と同じ動作をし、その速さなどの「特質」は脳の持つ「特質」と殆ど同じである。
何と、これは上記した「4つのパーツ」で出来るのである。
因みに、その「頭脳」に成る「回路の概容」をどの様に組むのかを簡単に解説する。これは以後の説明に役立つので敢えてここで記する。

・「基本回路の概容」
ある「信号A」を右から「トランジスタ類A」の「接点1」に流し、その「トランジスタ類A」に「接電負荷A」(駆動源)を繋ぎ、その「負荷A」が働くと、その自分の「トランジスタ類A」が持つもう一つの「接点2」が「接点1」を保護するように葡萄の様に2重にぶら下がる様に結ぶと、この入って来た「信号A」は、自分の「接電負荷A」(駆動源)が切られない限り、その「信号A」を切る事が無く永久にその状態を遺す事ができる仕組みである。
つまり、自分で自分を管理して他からの影響を受けない仕組みである。(脳のシナブス)
そして、この「仕組みの基本回路」に「電流方向」や「電流の流れる程度」や「量」や「ノイズ」や「異質信号」が入らない様に、上記の「ダイオード類」や「抵抗類」や「コンデンサー類」を「接点1」から「接電負荷A」との間に繋いでおけば「記憶の基本回路」は完成する。
これを「蜂の巣」(ハニーカム回路 左脳)に類似する様に、無数に作ってカムを相互に繋いで置けば置くほど「記憶」は溜まる事に成る。
後はその記憶を引き出すには、その一つの「カム」にその「カムの縁」を通る様に「ダイオード類」を結んでおけば「カムの縁」を引き出す「信号B」が流れて「接点2」を解除し、その記憶されている「カム」に到達して「信号A」を引き出してくる事が出来る。
この左脳と同じ働きをしている部位から「信号A」が引き出されても、永久に保存する場合は、上記した動作を起こして、常に電気を流し続ける仕組みにして置くと出来る。
これを「ROM回路」と云う仕組みであり、一時的に保存するのであれば、その左脳に匹敵する「ハニーカム」にその期間だけ電気を流し、後は電気の供給を停める様にしておく事で出来る。これを「RAM回路」と云う仕組みである。
この「ROM回路」と「RAM回路」を上手く使いこなせば良い事に成る。
この様に、大まかには回路と云うものが出来上がっている。
下記に問題点として論じる「静電気」や「ノイズ」や「異質信号」は、此処に勝手に侵入して来て、予想もしなかった信号が回路に入ってくるので、記憶がどちらを採用すればよいか判らなく成り「パニック」(ハンギング)に成って、「誤った動き」や”回路事態が壊れる”と言う現象を起こすのである。

>「環境条件」の影響
この上記した「基本回路」が、本論の最も根幹の部分で、これが「特質・特性」と「環境条件」に複合的に左右されるのである。基本回路が「特質・特性」と「環境条件」に影響受けていては”基本”の意味を成さない事に成る。少なくとも「基本」は「基本」でいて欲しいものである。人の世の中とは同じである。
「基本」と「原則」の類が「基本・原則」でいないから世の中は乱れる。鉱物も回路も同じ宿命を担っているのだ。これは「世の条理・道理」である。この世の条理道理を何とかしようとするのが文明の進歩の力に成る。何とかしようとするのが本論の技術論である。本論の技術論を解決する事で文明は進歩するのだ。況や、「787」は世紀に誇る進歩の航空機と成り得るのである。それの「鍵」を日本が握っているとして論じている。
ここで、苦手な人もこの事だけは概容としては本論中は知っておいて頂きたい。
判りやすく云えば、「4つのパーツ」の鉱物は、「結晶体」(「ハニーカム結晶体」)と云う「特殊な鉱物」であるからこそ「環境条件」に左右されやすいし、「予想外の事」が起こり易いのである。
真に「雪の結晶」の様に微妙なのである。この様に先ずは理解して戴く。
「ソフト回路の基盤」とは、真にこの「4つのパーツの結晶体」から出来ていると云っても過言ではない。
ここでは「電気回路の論」ではないので、その様に理解しておいて戴くと本論が判りやすい。

この主な「4つのパーツ」の諸々の「電気特質」をいろいろと組み合わせて、「ハード回路」以上の回路が出来る。ところが、上記する「結晶体」のみならず、この主な「4つのパーツ」そのものが、先ず「特質・特性」と「環境条件」に因って大きく左右される。だから設計した以上の思わぬ症状を起こすのである。
この左右する「環境条件」が単数であれば、設計的に仕様として自然に準備でき防御対策が考えられるし、採れる。ところが、全く単数では無いのである。
先ず、「人間の頭脳」や「コンピータの頭脳」では、これだけ時代が進んでも事前想定が未だ出来ないのである。
その「ソフト回路の基盤」(ソフト基盤)が一つであれば未だしも無数の複数である事、更には別の「ソフト回路基盤」との絡みも出て来る。(「4つの装置」である)
更に、一つの設備の「ソフト基盤」には夫々その目的に別けて、更に子回路の「ソフト回路基盤」が作られる。「枝葉状の基盤構成」で成り立っている。
例えば、「電源部」をコントロールする「電源基盤」、この「電源基盤」でもその電源の内容に依って別けて作られるので、大体少なくとも「4つ位の電源基盤類」が出来る事になる。
他に色々な「ハードの装置」を動かす「操作基盤」がある。これはその「装置の数」に関わる基盤が出来上がり、これを一つに管理する「回路操作基盤」もある。
更には、上記した様に、動きなどを記憶しておかなければ成らない「記憶基盤」があり、これには「ROM基盤」と「RAM基盤」に別けられる。
元々、回路には別けて考えると、常にどんな事があっても覚えておくべき記憶(ROM)と、動き出した時に覚えておかなくては成らない記憶(RAM)の基盤に別けられる。
これには「母体」に成る「記憶基盤」と「子体」に成る「記憶基盤」がある。
大きくなれば成る程にこれが装置毎に作られるので「枝葉系の記憶基盤」が出来る。
他に、「設備や装置」(ハード)の「根幹仕様」を決めて置く「仕様基盤」があるので、これも「仕様」の「枝葉系基盤」が出来る。
ここに上記した「静電気」の信号や「ノイズ」や「異質信号」が、環境条件に左右されて突然ある基盤の特定のところに侵入してくるから、上記した基盤類の相互間で繋がっている為に、全てがパニックに成り、「ロッキング」や「ハンギング」や「フリージング」が起こり、時には「予想もしていない動き」(パニック)を起こすのである。
ここで問題と成っている「航空機」等は、「仕様の枝葉系」に至るまで、この上記する全てのものが存在する。
この「4つのパーツ」で出来る「ソフト基盤」には欠かす事の出来ない物として、色々な状態を把握する「センサー基盤」がある。これはその「センサーの数」だけは少なくともある。
この「センサーの答え」が「環境条件」で変化していては「センサー」ではなくなる。
ところが、この「センサー基盤」は基盤のみならず「センサー事態」が最も「環境条件」に左右されるものなのである。
何故ならば、この「センサー」は殆どは「ダイオード類」などと同じ鉱物などに依ってその特質を利用して出来ている。中には複数のものを組み合わせて作られている。本論のリチウムもその一つである。
冷却センサーや振動センサーや比重センサーや水準センサー等数々のセンサーとして、このリチウムの「特質・特性」を利点として使われているのである。
故に、自然の物理的な物質である限りは、どんなものでも間違い無く「環境条件」に大きく左右する。
つまりは、「センサー」が一定と思われがちであるが、この「センサーの特質」の「質と限度」が一定ではないという事なのだ。「環境条件」に大きく左右されるのだ。
故に、センサーは”ある範囲で使用制限(標準条件 下記)して可能と成っている。ところが、「航空機」と云う「特別の環境条件」が絡むと難しく成る。
況して、これを”純度の高い結晶体”で出来上がっているものが殆どなので、上記した「雪の結晶体」と同じく敏感に「環境条件」にその選び抜いた「特質」は変化するのである。
故に、総じて、”「ソフト基盤」=「環境条件」” そのものである事が誰が考えても判る。
この「センサー基盤」の「センサー類」が、次ぎの環境条件に影響する。
「温度」 「湿度」 「気圧」「圧力」  「電圧」「電位」  「電流」「荷電」  「振動」「衝撃  「磁場」「磁界」  「静電気」  「ノイズ」  「フリー電子」  「サージ」 「水準」  「光」・・・
等、ありとあらゆる物を監視しているが、特に「787の電気回路」(此処では「バッテリー関係」の「4つの装置」に限定)の「ソフト基盤」には、この「センサー」が大きく働いている。

地上のものより「航空機」は、「厳しい環境」に晒されている訳であるから、
「センサー」の「環境条件に依る特性変化」(1)
「センサー基盤」そのものの「環境条件に依る特性変化」(2)
以上は、「787が求める管理値」を保証し、維持管理出来るのかは、はなはだ疑問であるのだ。
ここが先ず、「第1の問題点」なのだ。

これは「センサー」で例えたが、次ぎの二つに別けられて問題を引き起こすのである。
・「基盤 2特性変化」
A 「パーツ単体の環境条件に依る特質変化」
B 「パーツで構成されている「ソフト基盤」の環境条件に依る特質変化」

この「2つの特性変化」は次ぎの要因に分類出来る。
・「特性変化の5要因」
(a) 環境条件 「温度」「湿度」「気圧」      四季が持つ自然特性の変異
(b) 電気条件 「電位」「電流」「荷電」      電気が持つ特性の変異
(c) 機械条件 「振動」「磁場」「圧力」      外部から機械的に加わるエネルギーの変異
(d) 自然条件 「静電気」「自由電子」「サージ」  自然現象が引き起こすエネルギーの変異
(e) 化学条件 「酸化反応」「還元反応」「イオン化」化学的な影響が引き起こす変異

恐らくは、この上記の「基盤 2特性変化」の(A・B)が働く事から、求られる「管理値」を、航空機のフライト毎の ”「ある一時的なピーク」”には、「特性変化の要因:(a)から(e)」を明らかに超えていると考えられる。
言い換えれば、この ”「ある一時的なピーク」” が、地上の「自動車等」に比べて、「航空機」には数多く持っていると云う事なのだ。

これを大まかに別ければ、次ぎの「3期」に成る。
(イ) 「テイクオフ期」
(ロ) 「ランディング期」
(ハ) 「上空10K期」
以上の3期の「環境条件による特質変化」が起こる事に成る。

この”3期の「環境条件による特性変化」”は、「経験値」から観て、そんな生易しいものではない。
因みに、「経験値」としては、「センサー等の本体類」では次ぎの様に成る。

「指定値」に対して少なくとも5%超
「センサー等の基盤類」でも5%超
以上が、負荷する「環境条件に依って起る特性変化」として少なくとも起るだろう。

合計10%超の「特性変化」が見込まれる。

この”「10%超の特性変化」”に加えて、更に、次ぎの特質変化が加算される。
「センサー等の自体」に3%
「センサー等の基盤本体」に3%
夫々「3%程度」の”許容する「エラーとバイアス」”を持っている。

とすると、定格に比して、合わせて「最大で16%程度」の「特性変化」を起こす事に成る。
「最小でも10%程度」は起こす事に成る。(統計学でもこの様に計算されている)

「特性変化」の量≒「最小10% 最大で16%」

参考の例として、「温度」では、次ぎの数値を一般的に何処でも原則として使うが、上記の「経験値」は、「標準の環境条件の範囲」で使われる。
然し、世界にはこの「標準の環境条件」ばかりではない。「標準の環境条件」を超える「過酷条件」と云うものがある。
「過酷条件」(プレッシャーテスト)は物に依って適用が異なるが、「基盤関係」はこの「過酷条件」の中でも行う事を「国連の安全輸送時の標準」として定められていて、各国ではこれが標準と成っている。
では、その環境条件に関して、”「標準条件」と「過酷条件」”とは、”どの様な範囲までを設定しているか”である。

>「過酷条件」
A 最高40℃、最低0℃(−10℃) 「寒冷地仕様基準」で−10℃ 実際は−20℃適用 
  標準:22℃(20℃)±20℃  「一般仕様」はこの環境変化の範囲を適用

B 最高80℃ 最低−40℃     「センサー類」等の計測器機類に主に適用
  過酷:22℃(20℃)±60℃(40℃) 

(世界標準温度は20℃であったが、温暖化で22℃と修正された。更に、企業ごとに「製品に対する保証」をより良くする為に、詳細に、上下の限度を加算している。)

>「試験標準」
 温度22℃(20℃) 許容値幅 ±5℃
 湿度50%RH 許容値幅 ±10%RH

(この領域では、傾向として物理的に材質を安定させる特質を持っている為に欠陥は出にくい。この領域で「特性変化の欠陥」が出れば、それは品質とは成り得ない。)

ところが、”この条件で「環境条件テスト」をクリヤー出来るか”と云うとそうではないのだ。
各企業はそのノウハウを生かして、更に、「詳細」に「特定条件」と云うものを定めている。

その特定条件類の一例を記する。

>「特定条件−1」
C 温度13度 湿度20% 気圧1 通常の範囲で起る「特定環境条件テスト」がある。
Cの様に、「湿度」の低湿に依る影響が顕著に現れるポイントである。

例えば、標準の「静電気」に依る「特性変化」は、この狭い限定したポイント付近で顕著に出現する。これを「限定条件」とも云う。
あらゆる「環境条件」には、”その特質を顕著に現れる領域”がある。−「限定条件」

(ここでは「静電気」が最も問題と成って影響受けているのでその領域を示した。)

「静電気」以外にも物理学では数多くあるが、此処では全てを書き記す事は困難であるので割愛するが、都度必要に応じて下記で書き記す。

>「特定条件−2」
D 温度40度 湿度80% 気圧1 通常の範囲で起る「特定環境条件テスト」がある。
Dの様に、「湿度」の高湿に依る影響が顕著に現れるポイントである。

高ければ高いほどに、”比例的に問題と成る欠陥が顕著に現れる”と云う事ではなく、この領域で問題が出易いのである。これには「自然物理学の高度な論理」が働いている。

例えば、標準の”「短絡チャージ」”に依る「特性変化」は、この「特定条件−2」の狭いポイント付近で顕著に出現する。
「高湿」が「40度−100%」の様に高ければ影響が出ると云う事ではないのだ。
起る事は起るが、「温度」と「水分量」が多すぎて、別の「湿度」と云うよりは、「温度」と絡んだ「水分」と云う問題の現象と成って現れる。

事程左様に、「温度や湿度等の環境条件」には、その特質を顕著に現れる”「ある特定の領域」”が存在するのだ。
これが、下記に論じる問題点に大きく左右する特性に成るのである。
闇雲にテストしても、”必ず現れる”と云う事ではないのだ。

これには、「環境条件下テスト」の「チャンバー」の中では、「専門的な領域」の「経験値」が働くが、「経験のノウハウ」だけではなく、これ等には「物理の高度な論理性」が裏づけとして存在するのだ。
従って、その「ノウハウの把握」は次ぎの様に成る。

・「3つの理論性」
(1) 「パーツの特性」
(2) 「物理学の論理性」
(3) 「環境条件の理論性」
以上の”「3つが噛み合うポイント」”を特定してテストをしなければ成らないのである。

上記の「特定条件」には、この「3つの理論性」が裏づけされる。

「温度」や「湿度」を闇雲に上下すれば問題点を見つけ出せると云う事では決してない。
この「ポイント」を見つけ出すには、上記の「3つの理論性」に幅広く、且つ、精通していなくては成らない事に成る。
故に「高度な専門性」が要求されるのだ。
これには多くの進んだ 
(4) 「高度な計測器機の把握」
(5) 「チヤンバーの操作力」
以上がこれに加えて要求される。

相当な学問と経験とノウハウで構築された専門域職であるので、この担当者には「リーダーのノウハウ」が下へ下へと継承されて行き、その技術者集団が構築されている。一朝一夜では構築されない集団がこのテストに挑戦する。(これが日本の強みである

この様に”色々な状況”を再現し易い「特定限定テスト」が各種あり、各企業は努力してノウハウを継承して、”独自の特定条件” を確立しているのだ。
この領域は、最早、「ノウハウ領域」で「自然物理学の専門領域」でもある。

この「環境条件」の「標準温度」を中心に、「湿度」、「気圧」等の「幅域」を交互に組みあせてテストを繰り返す。(テストには・「マトリックスチャート」を作成する)

全ての「環境条件」の「組み合わせ条件」のテストを終わらせるには、普通は次ぎの様に成る。

・「マトリックス幅」
「温度域を5度幅」
「湿度域を5%」
「気圧域は1気圧」を基準
「下側に0.2気圧幅」、「上側に0.2気圧1段」

以上として行うのが普通である。
その物に依って「特定環境条件の領域(ステップ)」を細かくして行う事等の事をする。
・「テストの経緯」
このテスト数は、次ぎの様な項目と成る。
”[「テスト項目]×「ステップ数」]の2乗” のテスト(マトリックスチャートテスト)をしながら、問題が出れば「原因・対策・確認」を繰り返して次に進むが、前の「原因・対策・確認」が次ぎのテストで裏目に出る事も起る。「勘域」を研ぎ澄まし忍耐の要る作業である。
「応用物理学」と「電気回路学」の超専門知識を駆使しての事である。
先ず、長い経験が無くては専門的な計測器機に現れる数値の読み取りが難しい。
その変化した数値が、許容の範囲であるのか、どんな波形の「出現現象」が問題であるのか等の判断が必要である。”この「出現現象」に対してどの様な対策を講ずれば良いか”の専門知識も必要に成る。

目視や映像の経験した発見も必要に成る。
「ソフト回路上」で直すのか、機械的に直すのか、物理的に直すのか、の判断も必要と成る。
殆ど夜を徹しての専門家の会議に会議が繰り返される。
依って、先ず、速くて半年、遅くて1年が充分に掛かる程度のテストなのである。
このテストが完了して「量産と出荷」が始まる。
普通は試作機から始める場合が多く、途中で量産が始まり、対策品を交換しながら「出荷待ち」方式を採るのが現実である。
この様なテストの経緯を辿りながらも、「航空機」と成ると、地上での「テスト経緯」では無理である。
それは地上で起こる環境変化はある一定期間はほぼ一定の中で起こる事なので、その前提でテストを繰り返す。ところが、下記にも詳細に検証するが、この変化は地上では考えられない様な「155M/S」の速さで急激に変化するし、それが一日に何度も起こる。
この環境条件の特殊な変化に対応するテストが必要に成る。


>「航空機の環境」
「航空機」と成ると、この「平地での環境条件」とは比べ物に成らない多くの厳しい環境条件が働く事は判るが、「未知の世界」であるが、気圧1に対して0.2気圧付近まで変化する事から上記する「特定環境条件」とは考えられない異なる事が起る。
当然に「平地での環境条件」をクリヤーした上での事と成るが、当然に「環境条件テスト」は倍は所要する事が予想できる。
(筆者には軍事的な機密事項の航空機のテストの経験が一度ある)

話を戻して、その前に ”「航空機」に対する認識の厳しさ” を理解する為に、上記のこの「16%」に付いて先に検証して置くとして、”どの程度の事なのか” と云うと、次ぎの事で判るだろう。
この数字がどれだけの意味を持っているのかと云うことだが、例えば、参考として「100V電圧」では、「±最小14%」(ルート2%)で「定格許容値」で何とか使えるレベル、最高24%で使用限界値で動かないとか、過熱とか、発火するとかの「異常な問題」が発生する。
あらゆる環境条件の中で日本ではこの範囲で規定される。
当然に、「特性変化量」に因って、「航空機の電圧レベル」に対してもほぼ同じことが云える(下記)

「特性変化」の量≒「最小10% 最大で16%」

電圧での一般的な「定格許容値」を超えているが、これを参考にしても、明らかに問題を起こす領域である。そうすると、「最大16%」なので問題を起こす事にも成る。
この例で観れば、「航空機」では、「過酷の環境条件」の「下限の−40度」の温度域付近の範囲に、「通常の環境」が入って来る。これで「航空機の条件(直流)」が「環境」に影響を受けて”如何に厳しい環境”であるかが判る。
この「二つの検証」を観ても、絶対に無視できる範囲ではないのだ。”無視”と云うよりは、”航空機の特有の環境条件の対策を講じない限りは「異変」が必ず起る”の範囲である事が判る。
この「環境条件下テスト」での「過酷テスト」までを行わない事の自体がおかしい事が判る筈である。

「787」では「充電設備の装置」が、「4つの装置」で構成されていたとすると、この「一つの装置」でも大変なのに「4つの装置」で連携している事もあり、上記の様な「環境条件」に左右されやすい「ソフト基盤」があり、その「ソフト基盤」の「特質の変化」は「環境条件下」で起こす。
更に、それを製造設計したメーカーは別々で製造したとなれば、「一つの装置」を捉えても大変なのに、仮に、「4つの装置」に対して各メーカがこの「環境条件の対策」を実行したとしても、「4つの装置」もあるとすると、”結合してユニットにした時のその「4つの装置」間に潜む「環境条件の特質変化」の対策はどのように成ったか”は大疑問である。先ず行っていない事が次ぎの事柄で判る。

・「環境概念の有無」
とりあえず、理解を深める為に、先にこの事について前置きとして論じて置く。
ところが、残念ながら”「環境条件変化の対策」を実行していない”とする根拠がある。
何故ならば、先ず第一に、この「環境条件」の対策を見つけ出す為にテストをする「特殊な装置」(チャンバー)の製造が日本が独壇場なのである。その為に先ずテストしていない確率が高い事が云える。
つまり、”独断場”と云う事は、その「テストする装置」が外国には少ないと云う事であり、この”少ない”と云う事は、上記に「専門域の技術者」で論じた様に、その「環境条件下」でのノウハウの「専門的な知識」が低いと云う事に成る。当然に、その「専門家の技術者」も少ないと云う事に成る。
当然にその周囲では、「環境条件下での品質」に対する「意識も概念」も低いという事に成る。
故に、実行されていない事の確立は高い。

そもそも、「国民性の概念」の中に、この「環境条件下」と云う概念が低い事が云える。
”それは何故そうなるか”と云うと、「国土の季節性」に依って培った「国民性」と、「民族形成」から来る「合理主義」と云う「国民性」から来ている。(下記でも論じる)
どちらかと云うと、”その国の「環境条件」が「国民性」を造る。即ち、 「環境条件」=国民性」=「概念」と云える。
又、全般的には「787」は、「ソフト基盤」と「リチウムイオン電池」を新しく使った「航空機」と云う事も原因しているとも考えられる。
更には、次ぎの事も考えられる。
”テストする為の本体が大きすぎる事”
”「普通の環境条件」以外にも、”「航空機」と云う「環境条件類」が、余りにも「変わり過ぎる事”
”その変わり過ぎる「変化の幅と速さ」が桁外れである事”
”「意識、又は、意思」の無さに繋がっている事”
以上もある。
何れから観ても、”環境概念は低い”と云う要因が働く。
それだけに再現できる様に、先ずは、テスト出切るに部位を先ず「小型化」にして、次ぎに、「環境条件下の特質の変化」を想定し、最後に、事前にその「問題点の摘出と対策」が必要であるのだ。
ところが、、ここに「大きな問題」が顕在しているのだ。
それは次ぎの様な企業間にとって何時も起る面倒な事柄である。
特に、”これが国間に跨っている” となると尚更である。
「テスト用の小型化」を何処が作り、何処がテストをし、何処が発見し、何処が対策をし、その対策を何処の装置のところに設置するか、何処が計測器機を準備し、何処がこのコストを賄うか、この様に、”そもそも”と成る問題が多いが、どの様な「環境条件のテスト」をするかを何処が決めるのか、決め方に依っては自分の所にしわ寄せが来るか等で「設置の莫大なコストの利害」(下記)が伴うし、欠陥が見つかったとして、その対策をどの様にするか、その決まったとした対策を直接の部位の装置の所に設置するか、その原因を誘引した部位の装置のところで設置するか等、到底、別メーカーであると絶対に決め難い事が起る。
これは後日に何かトラブルが起った時に何処の責任にするか、何処がその賠償を払うか、そのコストを何処が持つのかは先ず決まるものではない。先ず会社の存続を揺るがす大問題と成り、先ずは解決不可能な裁判と成る事は必定である。
(「リチウムイオン電池メーカー」が賠償要求が出ているが、日本の電池メーカー側は反論している)
そうすると、明らかに解決策はただ一つに成る。
これを「4つの装置」を「ユニット」にして「一つの会社」が始めから「設計製作」を「請け負う事」以外にはない。そして、日本の特技の「環境条件下テスト」を行い対策して、未来の為に解決するべきである。
つまり、上記する事を自分のところで一切責任を持って全てを賄う事以外には無い事に成る。
この「環境条件下で品質維持の概念」が低い他の先進国では成し得る事ではない。
当然に、日本以外には無く成るし、日本は逆にこの「環境条件下の品質意識」が、有給の歴史を経て、「環境条件」=国民性」=「概念」で「常識概念」として持っている。
一方は「低い概念」が、他方では「常識概念」と成れば自ずと方向は決まる。
元々、上記した様に、”特殊で高度な専門的な技術的な知識” を伴うのである。
それを ”「4つの装置」に別けて別々に発注すると云う発想事態” が、この「4つの装置」に絡む「技術知識の無さ」が露見している。
下記にも、この如何に専門的で微妙な領域の知識を有している「4つの装置」であるかを論じるが、「4つが別発注」の考え方が、専門的に観ると全く理解出来ないのである。

上記した様な ”何処が” と云う問題解決の可能性も然りながら、最も大事である専門的判断にも、”リスクが余りにも大きすぎる”と云う現実的な弱点を持っているのに、”無理”である事を”可能”だと、「787」が「真逆の判断」した。(”無理”は環境条件下テスト」を実行すれば”可能”に成る。)
この事には、”これ等の知識が無かった”か、或いは、”別の思惑”があって真逆の判断をしたのか、この何れかであろう事が判る。
然し、少なくとも ”何処が” の問題だけは事前に理解出来できていた筈で、”専門的な弱点”に付いては” 全てとは行かなくても事前に多少成りとも理解はしていた” と考えられる。
とすると、”「無知識」”よりは、 ”「別の思惑」”に傾くは必定で、その”別の思惑”とは、「本件の特長」である ”「70%日本製」”にあった事に成ると考えられる。

そもそも、この”別の思惑”にはある辛い歴史が日本側にあった。
この「航空産業」の経緯は、戦前は日本とアメリカの産業であった。
(戦前は「零式戦闘機」や「隼戦闘機」で航空産業は米国と競合していた。)
敗戦によりこの「航空産業」を占領下に於いて米国は禁止したのである。そして、その後は弱体化している日本に対して米国の圧力に依ってこの「航空産業」の再開は認めず出来なかったのである。
約50年間程度の間は「日本の航空産業」は開発が出来なかった。この間、「米国の航空産業」は寡占企業となった。
然し、この縛りも解けて、戦前の「4つの主要航空産業」は開発を始め、日本の最新の技術を以って再び米国に勝るとも劣らぬ「航空機」を作り始めた。そして、遂には、「70%国産」の「787」と成ったのである。
(航空機設計者であった有名な「糸川氏」もロケットに切り替えて現在のロケット産業が生き返った。)
自動車や原子力発電等の ”「アメリカ発の産業」”が、全て ”「日本発の産業」”に変わり始めた時の様に、アメリカは、世界最新鋭の「70%日本製航空機」の端緒に、この「リチウムイオン電池」を主体とする電気回路まで日本製にする事に抵抗が大きかったと考えられる。
「100%日本製航空機」が出来てしまう事を極めて恐れたのではないか。
彼等は、今の侭では、「自動車産業」の様に、「日本の品質チェック体制」と、その上記した「伝統の専門知識」が、最早、このままでは ”日本優位と成り同じ結果を招く” と、 戦後の航空産業を押さえ込んだ様に恐れたと考えられる。
これは ”現実の事実”として「787カーボングラファイトの航空機」がこれを物語る。
最早、「聖域を守って来た米国の航空産業」も ”「日本初の産業」”は始まっていると考えて、せめての”「アメリカ発の産業」のプライド”が、この判断を引き出してしまったのではないかと予想できる。
何故ならば、「ソフト基盤」のこの「電気回路」と「リチウムイオン電池」も進んだ「環境条件のテストの品質保証」が起因して「電気回路]までもが ”「日本発の産業」”と成って仕舞っているからだ。
この回路までも、三菱に委託すれば「完全な日本製」で、「787製」は無く成る事になる。
「787」での「電気回路の組み立て」があるからこそ、それを「大儀明文」に「米国の組み立て」と成っているからである。
今まではジェットエンジンの出力でハードの装置を動かしていたが、このエンジン出力を止めて「電気回路の出力」を「リチウムイオン電池」の「充電−発電(供給)−蓄電」に切り替える事で「燃費率」を向上させ、「エンジンの出力の余剰分」でより早くより「安定した航空機」としたのである。
つまり、”「エンジン出力」と「電気回路出力」の2つで構成されているこの航空機” のこの「電気回路出力」を、全て”「日本発の産業」”としてしまうと ”エンジンのみと組み立て” に成って仕舞う事に成る。
そうなれば、最早、”アメリカで組み立てる根拠”は無く成る事を意味する。
「787」のみならず ”アメリカのプライド”が許さなかったと考えられる。

実は、この”プライド固持”に走った理由に、他にもあった。
それは、完全に ”「日本初の産業」”と成ってしまっていた史実がこの時にあったのだ。
三菱とホンダとが、”設計から生産までの世界初の最新鋭機の「100%航空機」” を作り試験飛行中であった。
「カーボングラファイト」の機体のみならず、小燃費の「日本製のエンジン」と「環境条件下」での「日本製の電気回路出力」の航空機に加え、機体の最新の流体力学での開発と改良とが加わった航空機なのである。
(中型機、試験飛行、品質試験中、事前受注中、だが、現在は”環境条件下に対応し安定を保証したもの”を進めていると期待している。下記に論じるが、日本では ”「環境条件下」” これ無しでは品質として容認しない土壌がある。)

「環境条件」が「4つの装置」の「回路部に与える影響とその危険性」を論じてきたが、この問題では済まない更に大きな問題を抱えているのだ。そして、それが上記した様に環境条件に厳しい欠点を持つ「航空機の環境」が危険の輪を広げているのだ。(「環境条件下テスト」を行なえば必ず解決できる事ではある)
それは、「リチウムイオン電池」そのものである。

>「リチウムイオン電池」の弱点
何れにとっても「787」より全てに及んで、 「日本発の産業」の ”進んだ航空機” が目の前に見せられていたのである。
「787」にしてみれば、これは最早、「企業存続の問題」であった筈である。
ここで「電気回路」を ”「日本発の産業」”に委ねてしまえば、それはこの「日本開発の航空機」と同じになって仕舞う事を意味する。
結局は、「787」に執っては、欠陥続出は ”「4つの装置の別発注」の判断” が不幸にも裏目に出た事を意味し、「米国産業の衰退」を意味する事に成ったのである。
”原因不明”の「見切り発車」は、「衰退の道」を走っている事を示している事に成る。
「見切り発車」をしなければ「787の企業」は倒産するは必定であり、「原因追求」まで待つ事は耐え切れない「大きなリスク」である。
況して、この状況になれば、「日本開発の航空機」が目の前に顕在しているのであるから、誰が考えても日本に取って代わられる事も必定である。
仮に「見切り発車」をせずに、「原因追求」と成った時には、「環境条件下テスト」の「ノウハウ」と、その「テスト用装置のチヤンバー」と、その「計測器機」の有無から観て、日本に依頼する以外に手は無い。
もし、そうなった時には、「判断ミスの責任問題」が「787企業」にあった事を露見する事に成る。

(政治問題化するであろう事が予想出来る。裏ではしていたのではないか。「原因不明」の状況下の中で日本政府は許可を出した。)

その証拠に ”「イワサのリチウムイオン電池」に「単独欠陥」があった”とする ”責任回避の発言” を「787企業」がした事でも判る。
その「欠陥箇所」を指摘していないのである。(三菱やイワサはこれに対して反論している。)
何故なら、「日本開発の航空機」の情報から観て、”環境条件に対応して安定を保証する事前試験を行う事” が、事前に「787企業」は予見できた事を意味している。だから”この発言と成った”のである。
実は、「787企業」を始めとして「アメリカ航空産業」の全てが、この「イワサのリチウムイオン電池の導入」に対して、どの様な根拠であるかは解らないが、”航空機に最適な機材である” とし事前に発言しているのである。

・「発熱欠陥」
恐らくは、三菱側は日本では常識と成っている「環境条件下テスト」と「一括ユニット受注」のこの提案をしていたのでは無いかと考えられる。
世界の最先端を進む日本のハイブリットとEV自動車の「リチウムイオン電池」では「発火欠陥」が出ている経験上、自動車では専門技術者に恵まれて次第に対策は進んでいる。然し、それより遥かに”「環境条件」が厳しい航空機”では初めてである。
それ故に、この「自動車の経験知識」は当然にハイブリットやEVの自動車を持つ三菱もこの懸念を持っていたと充分に考えられる。

(「地上の自動車」は「+側の「発熱」」に対して影響し、「上空の航空機」は主にその環境条件の変化から「−側の発熱」に影響する。下記)

(参考 「発熱欠陥」を捉えてハイブリットとEV自動車での対策研究では、「リチウムイオン電池」の「+側電極のリチウム塩」のより安定した材質の開発へと進んでいる。 70%のコバルトから他の材質に切り替える為に研究が進んでいる。7種類の後有無酸化塩が確認できる。下記)

国際基準では、「リチウムイオン電池」に対しては、「装置」での規定ではないが、「輸送」に対しては規定している。この事から最初に「航空機に装置」として使うのだから、無視する事は絶対にあり得ない。
その後の調査では、「787企業」にはこの「専門の技術者」が存在しない事が判明している。
これで、「787企業」の「無知識」と「別の思惑」の両方であった事が証明した事になるのである。
故に、恐らくは、この三菱の「2つの提案」(「環境条件下テスト」と「一括ユニット受注」)を無視したことが判る。

筆者はこの「見切り発車」を否定するものではない。企業に於いてこの「見切り発車」は企業存続に取って必要な場合が有り得る。しかしである、この「見切り発車」には条件がある。
その品質レベルが「安全領域側」にあっての「見切り発車」は容認できる。
その品質レベルが「危険領域側」にあっての「見切り発車」は感化できない。
この「原因不明」の「見切り発車」は「危険領域側」にあると判断する。
現実に「日本の企業」はこの領域は「見切り発車」はしない。少なくとも「日本企業」はしないのが普通で、これは判断を委ねられる「日本の技術者の常識」である。それが日本の「技術者の誇り」であり古来から培って来た概念である。
”原因が特定できない” その侭に、「80項目」と云われる「暫定対策」の「見切り発車」は考え難い。
その対策は、何と考えられない ”発熱しても燃えない様にする対策”と発言している。
聞いて”唖然”とする。

(下記で論じるが、「リチウム」の「固有独特の特性」から「蓄熱現象」と云う危険な特性を持っている。
ある一定以上の「発熱」をすると、その「熱応力」は結晶に蓄積されて増加して行くのである。結果、ある限度を超えると「過熱現象」が起こり、遂には、「バーニング」を起こす事に成る。
因って、”発熱しても燃えない様にする対策” は既に遅いのである。
下記に論じるが、航空機の独特の環境条件に因って「−側の発熱」の為に冬期に起こり易いのだ。)

彼等には、これが常識であるかも知れないが、筆者には専門技術者として到底理解出来ない。

そもそも、「リチウムイオン電池」は「発熱・過熱現象」の発生は、最早、それは「終わり」なのである。
何故ならば、この「リチウムイオン電池」の「顕著な特性」で、一度発熱すると「劣化の負のスパイラル」が100%起こす特性を持っていて、それが高速にて、且つ、重複的に他の欠陥を誘起する特質を持っているからだ。(下記で詳細に記述論で論じる)

この発言は明らかに「787企業の技術の無さ」を露見している。それも殆どである。
この「技術の無さ」が所以して、この対策と成った事を物語る。もし、あったとしたなら、先ずこの様な「発言」と「見切り発車」と「この対策」に成らない筈である。
但し、この発想は「日本人の常識」であるかも知れないが。

さて、そこで、果たして、「787」が「安全領域側」にあるのか、「危険領域側」にあるのか考えて頂く為に、この点をより具体的に深く論じる。日本人が間違っているのか、はたまたアメリカ人が正しいのか、”決着”を着け様と思う。
上記のこの様な「背景と経緯」があったが、そこで、「三菱の2つの提案」と成ったと観られる筆者成りのその「技術論」を展開して理解を深めたい。

・「環境条件の概念の違い」
そこで、多少、専門的であり技術的な事に慣れていない方が多いと思うが、出来るだけ解りやすく丁寧に論じるので、下記の論じる事を読んで戴くとよく理解できると考える。

そもそも、この「専門的な知識」とは、一見しての場合、「電気系の技術者」と考えがちであるが、決してそうではない。上記の説明の通り「電気系の技術者」だけでは解決できる内容では無い事が直ぐに判る筈である。
その ”問題と成っている欠陥” が「応用物理学の範疇」である。そもそも電気回路が悪かった訳ではなく、”「環境条件下」に耐えうる品質で無かった事”に所以している。
出来上がっている「4つのパーツ」は上記で説明した様に、全て「鉱物製品」である事を見ても、又「環境条件」と云う「自然の物理現象」の事を考えても、これは「物理系の技術者」でなければ解らない。
この様な事は大学で「電気系の技術者」は学んでいない。この分野は応用物理学で金属学か鉱物冶金工学の範疇である。
つまり、この「2つの分野の技術者」のコンビネーションにて「環境条件対策」が可能に成る。
中でも、「電気系の技術者」の中でも、その回路を設計した「主任設計技術者」でなくては無理であるのだ。
と云うのは、回路上に明記されていない隠されたノウハウが回路の要所要所に組み込まれているからで、”「電気回路」が読める”からと云って簡単に判るという事ではない。
「ハード回路」なら電気回路技術者なら判るが、「ソフトの電子回路」は概容は判るが、細かいところまで対策できる判断力は把握出来無いのである。「ソフト基盤の難点」でもある。
下手に対策すると、その対策が別の問題を引き起こすと云う逆の事が起こり易いのである。
設計者でも起こり易い事なのである。
企業に依っては、「物理系の技術者」が、「電気回路」をある領域までマスターしてテストを実行して問題点を相談して対策を構ずる事のパターンが多い。
色々な「高度な検査計測器機」を駆使する事が欠かせないので、このパターンが多いのであるが、希に逆の事もある。「物理系の技術者」は、この様な検査技術者が担当するのが普通である。
兎も角も、最終は、”両者の技術者の「コンビネーション」” と成る。
故に、この様な「技術界の内部事情」があり、どこの国でも技術者であれば誰でも出来ると云う事では無く、当然に、 ”技術者が少なければ、ノウハウも少なく低い”という事に成るし、必然的にそのような概念も生まれて来ないのだ。
況して、”装置の相互間の影響のテスト” 等は100%していない事が云える。
”していない”と云うよりは ”出来ない しない” と云った方が正しい。
「787」の「日本の装置」の「リチウムイオン電池」のメ−カーは行っている可能性はあるが、”外国はその様な概念が薄い”と、筆者は現役の時の外国技術者との談合議論で感じ取っている。
それには「日本の考え方」と、「欧米系の考え方」とは、根本的に技術界では異なっているのだ。
”どのように異なっているか” と云う事なのだが、その「彼等の概念」の根幹は、”それはその程度の製品である。 その程度の品質のその価格に成っている” と主張する傾向が強い。必ずする。
徹底した「合理主義」から来る発想である。
つまり、この「主張の論調」は、”変化する「環境条件下の仕様」は論外である事”を意味する。
まして、”「環境条件下の過酷条件」では論外中の論外”であろう。
では、”どの様な基準であれば実行するのか” と云う事だが、彼等の「仕様の考え方」の基準は、例えば、温度にすれば「20℃〜22℃」、湿度にすれば「40%−60%」が根本に成っている。
要するに、「標準条件」である。
他の「環境条件」も、所謂、”世界基準が定める「常温常湿」である事を「環境基準」にし、それに耐えられる基準”とする考え方である。
”この範囲で製品に問題が無ければ、それは最早、「品質」である”とする考え方なのだ。
この範囲で製品に問題が出なければ ”良い品質だ”と彼等は考えるのだ。
当然に、物理学的に、この「標準の上下」には、ある程度の「バイアス」を持っていて、温度にしてみれば「±5度」、「湿度にしてみれば±10%」の範囲であれば、ほぼ一定にその特質は変化しないのである。
これは、「鉱物の内部」が、この「環境条件の変化」に対して「分子運動」を起こしているのだが、この「分子運動」のレベルが、「特質」を変えるだけのエネルギーには成らないのである。
故に、この範囲であれば変化しないで安定している事が保証されるのである。
その条件が完全にマスターしていれば、それはそれでよく、完全な使用に耐えうる製品とする彼等の考え方の主体を占めている。
従って、それ以上の「仕様」を要求するのであれば、それは”「特注」”と云う「仕様」に成る考え方なのだ。依って、「特注」を要求しない限りは、上記する「環境条件下」の対策は施されないのである。
果たして、「787問題」のこの「4つの装置」の内の「3つの装置」はこの「特注」を要求していない筈である。
何故ならば、ヨーロッパ系と同じ考え方、或いは、同じ概念を持つ米国である。依って、「特注感覚」は無かった筈である。
だから、日本であれば、普通であれば、この「4つの装置」をユニットにして発注する筈で、別のメーカに発注している事はこの「特注感覚」ではそもそも無かった事を意味する。
”「4つの装置」を別発注した事”は、そもそも上記した”「環境条件下の特質変化の知識」が無かった事か、無視したか、その概念が無かったか、”を意味する。

・「日本の概念の根拠」
そもそも、日本では「4季の気候変化」を持ち、緯度から北と南の「環境変化の差」が余りにも大きい事から、この「環境変化の仕様概念」が体や感覚に染み付いている事があり、この「環境変化」に対応している事が常識で、”西で売れても北では売れない”とする状況が生まれる。これに対応していなければ当然に売れないからである。
故に、「日本の製品」は、全ての「環境条件」に対応している為に、「環境条件の変化」に対して問題が出ずに安定していて、”品質が良い”と評価を受ける事に成る。
取り分け、「日本の製品」の中でも「総合産業の自動車」が今や米国を席捲して仕舞ったのである。
これは「典型的な概念」を証明する見本である。
自動車に限らず、「総合産業」の製品は、例外無く日本が席捲している。
ハイブリットやEV自動車等はこの「環境条件下」で成し得る製品で、その典型的な対象品であり、世界を席捲している。
このそもそも ”日本の品質は良い”とする評価は、この「技術的な背景」がある事から来ているのである。
米国を始めとする先進国が、真似が出来ないのは、この「環境条件下のノウハウ」が無い事によるのだ。
そもそも、上記した様な事があるから、”「環境条件下の対策」がしていない根拠” とは成るが、「4つの装置」のこの「環境条件下の対策」が絶対にしていない根拠が別に厳然とあるのだ。

それは、仮に「環境条件下の対策」が行われたとして、その原因と対策が判ったとして、果たして、その対策をどこのメーカが行うのか、負担するのかと云う問題が出る。
先ず、そもそも、「対策コスト」が莫大に掛かる。それを何処が持つのか。その原因が「4つの装置」の”何処が主因”と成っているかの議論もあると収拾が付かないし、その「ノウハウの有無」の差からなかなか議論には成り難い。
況して「ヨーロッパ系の考え方」が存在すると話し合いなどは付かないのが現実である。

・「経験談」
筆者も現実に現役時代にこの問題に直面した事の経験がある。
ある日本の”超精密機器の検査大型機”で、その中にドイツの製品が組み込まれていた。
この検査機器に問題が起った。それを筆者が原因特定の調査を行ったところ、この「ドイツ製品」が原因であり、その製品のトラブル原因を発見した。
それは「バネの設計基準」を超えての「仕様」と、そのバネに付いている部品がこの「環境条件」に対応していない設計であった。
通常、バネは材料力学上その使用の仕様限界は、「60%以上」超えて使用しては成らないのである。
これは材料力学上は「破壊限界YP」としては常識である。
そして、その「限界値」より一段下げた「40%」の値のところを設計基準として使用する。
ところが、このドイツのメーカーは、「60%」の下限ギリギリのところを使っていた。
この事を日本の商社メーカにアピールしドイツのメーカーを呼びつけた。
「60%下限」であるので、難しいところであるが、ところがこの精密機器は上記する「環境条件下」の中に入れて検査する計測器機で、世界に10台とない日本の2つのメーカーのみが生産している「超精密検査機器」である。これで原子爆弾の収納コアーを10万分の一の制度で測定して生産機器と組み合わせて作れる優れものである。
上記した「ソフト基盤」の塊の様なもので、10M四方の完全密閉の部屋で、「埃や菌」等一切のものを完全に排除した環境条件を自由に変更できる室、と云うよりはコンピータの中に入った感じの「チャンバー」である。この中に設置されている。
この「チャンバー」の中の「計測器機」の「一パーツ」が問題を起こしたのである。
この設置されている「環境条件」が温度10度以下から40度までに設定する事もあり、この繰り返しを毎日の様に行われる。
つまり、この「バネ」は低温に成ると、金属は収縮して、この使用限界の「60%YP」が「40%YP」程度まで下がる事が起る。この繰り返しが「疲労破壊」に繋がる。
その為に「日本の基準」では、ノウハウから「40%仕様」と成っている。日本の設計者の常識範囲でもあり、「標準規格基準」として決められている。
明らかに日本から見ると「初歩的な設計ミス」である。
これ以外にこのパーツに取り付けられた「プラスティク」がこの「環境条件」に更に晒される。
プラスティクの影響は、この「環境条件」の見本の様なものである。
「日本の製品」は、”環境条件の常識的なノウハウ” に裏付けられている為に絶対にこの様なところに使用する事は先ずない。あってもそのプラスティクに対策を構ずる。
つまり、このドイツの製品にはこの設計的な「二つの欠陥」があった。
大議論に成った。明らかに例に漏れず、「日本の考え方」と「ヨーロッパ系の考え方」とのバッティングである。
彼等は ”それはその程度の製品である。 その程度の品質のその価格に成っている”である。
日本では通用しない理屈である。彼等は譲らない。筆者は唖然とする。
そこで、最早、技術論ではない。「日本」「ドイツ」の議論である。
科学技術に進んだ「日本」を否定するのか、然し、否定はしない事を認めた。だから、「ドイツ」を認める。
としたら、「日本」を認めるとしたら「日本」に売却したものに、「日本」で「ドイツの考え方」を主張するな。
日本に居て「日本」に売却する以上は「日本の基準」に従うべきである。
「日本の技術」は遅れているとするならば論外だが、貴方が今居る「チャンバー」とその中にある「計測器機」は貴方の国のものより明らかに優れているし、「日本の基準」は「貴方の国の基準」よりは工学の学問的にも明らかに優れている。
世界各国の環境条件の幅は、温度にして「−40度から+40度」、湿度なども同様に幅がある。
もし、これを否定するとなれば、貴方の国のものは問題ばかり起こり「製品」として成り立たない事の理屈に成る。これで否定しなく成った。
結局、無償で直せ、それが貴方の国の将来の為である。解らないのであればその基準の根拠を学問的に責任を持って説明するし、直し方を技術的に提案する。 ”直す”で話がついた。

この様なやり取りの議論が現役中は何度かあった。彼らヨーロッパ系の技術者は、その「論処」がはっきりしている時は最後は認めるのが普通である。この潔さは信頼出来るが、その最初の姿勢は日本人として気に食わない。彼等は、この理屈を必ず言わなければ成らない概念なのである。
それに反論しなければ、それで通す。である。それが「彼等の掟」なのであろう。
日本人としては絶対に納得出来ないのだが。
恐らくは、この本論の「787の解決」もこの様な経緯に至らなければ解決はない。
”それはその程度の製品である。 その程度の品質のその価格に成っている”の理屈が必ず出て来る。
脳に遺伝的に「染み付いた概念」である。その「染み付いた概念」の根拠や前提と成っている基準は、”自分達が優れている”を前提とする。
ここが、日本と云う自分達より優れた「物造りの国」が現れた事に「計算違い」が起ったのである。
それが、この「787の問題」に象徴されていて、彼等は、又、「日本初の産業」に恐怖を抱いている環境であろう。
従って、上記した「環境条件下のテスト」は、先ずは、「彼等の概念」からしたら、”必要ない”で終わるであろう。是非必要とするなら、それは、”特注だ”と成る理屈である。
もともと、上記の例の様に、日本人から考えると、その”「品質に対する概念」が低い”のであるからなかなか解決は難しい事が判る。
ただ一点解決出来る事がある。それは「787」は「70%は日本製」であるとするのなら、この場合は「4つの装置」をユニットにして、”ノウハウのある「日本製」” にして、総受注先の三菱が責任を持って、上記の「環境条件下テスト」を実行する事で解決する。

問題は、”彼等がこの点に踏み切れるか”の問題と成る。
然し、日本側にも問題があった。
何故、「新型航空機の仕様」に対して「重要な部位」のところを「4つのパーツ」には、この様な「環境条件の影響」があるのに、”何故ユニットを提案しなかったのか”が不思議な点である。
(上記で提案していると予想)
況して、”「航空機」と云うものが「環境条件の変化」を起こす最たる見本の様なものであるのに、 ”何故、ロッキードに異議を申し立てなかったのか” 不思議中の不思議である。
充分な知識はあった筈で技術者としては考え難い。
”「787企業」が受け入れなかったのか、三菱技術者がこのノウハウを知らなかったのか、” と成る。
況してや、弱点の多い「リチウムイオン電池」の使用である。どう考えても理解出来ない。
(三菱には「EVとハイブリットの自動車」でノウハウはある。)

そこで、上記の「基盤関係の環境条件下の問題」もあり、その上に、そもそも「リチウムイオン電池」の「敏感な特性とその弱点」(つまり、「アルカリ金属類」である)がある。

「基盤関係の環境条件下の問題」+「リチウムイオン電池」=「敏感な特性とその弱点」
この二つの関係式が働いた時には、果たして「適切な対策」が取れるかがそもそも疑問である。

続く。

>「リチウムイオン電池の特性」です。



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