青木氏氏 研究室
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  [No.297] Re:787ジャンボ機に思う事(技術論)−2
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/06/26(Wed) 07:02:35

> 787ジャンボ機に思う事(技術論)

>「リチウムイオン電池の特性」
今までは、「リチウムイオン電池」の上記した「外部の要因」が左右して問題と成ると論じた。
それも環境条件であった。中でも「航空機」と成ると更に厳しい条件が伴う。
然し、「リチウムイオン電池」の「内部の要因」が左右して問題と成る事が数多くあるのだ。
それもかなり”敏感に働く特質”を持っているのだ。そしてその敏感な特質特性がこの環境条件に更に影響するのだ。
そもそも、「リチウムイオン電池」は「イオン」を放出させての原理である限り、物理学的に観ても、次ぎの特性に弱い事が云える。それは、この「リチウム」と云う鉱物は ”「アルカリ金属類」”と云う分類に所属する事で判る。
「アルカリ金属類」は、そもそも、主に、次ぎの「4つの環境」と云われるものに大きく左右される。

・「4つの環境」
1 「温度」−「湿度」「気圧」
2 「振動」
3 「磁場」
4 「静電気」

(「湿度、気圧」は基本は「温度」に影響する。)
以上4つを含めて、大きく左右される事が判る。

それは”極めて強い「アルカリ性」”を示し、それも”過敏感に働く特質”を有する「アルカリ金属」なのだ。
この「湿度と気圧」は、特に「温度」に連動し左右されるので「温度」の中の要素として置くとして、以上の「4つの環境」に弱い事が判る。即ち、「アルカリ金属類」は、「4つの環境」に反応し易いのである。

・「温度」では、温度が高まれば何でもそうであるが、「分子運動」がたかまり「反応力」は高まる。
・「振動」では、その物質の内部を揺さぶる為に、「分子運動:電子運動」、即ち、「電子の振動」(イオン運動)が助長されて、更に「分子運動:電子運動」(イオン運動)は高まる。
・「磁場」では、その物質の周囲に「磁場・磁界」が働き、「内部の電子運動」(イオン運動)が、この「磁界・磁場」には電位電荷を持っている為にこれに引っ張られて更に高まる。
・「静電気」では、「磁場磁界」と同じく、高い「電位電荷」を持っている。これが「内部の電子運動」(イオン運動)に連動して異常な運動を引き起こす。
又、「静電気」が「電位電荷」が高い為に内部に入り込み、勝手に電子運動(イオン運動)を起こして仕舞う事も起こる。破壊して仕舞う事も起こる。
・「湿度と気圧」では、「温度」に連動して変化する為に、「温度の影響」を助長させて仕舞う。
この「温度」(湿度、気圧)は、「振動」「磁場」「静電気」に大きく影響を与える為に、相乗効果をそれぞれに与える。
「内部の電子運動」が「4つの環境」に因って、外部に飛び出した電子が、「イオン」の形で浮遊して(他の極側に引き寄せられる)重複して「4つの環境」に更に影響を受ける。

この「イオン」に関するこの「4つの環境」は、取り分け、「航空機」では、上記した様に、最も常時起る「環境条件」で、それも頻繁に繰り返し起る。
「特性」と書いているが、「航空機」では完全に強い「4つの環境」の条件が揃い過ぎている為に、「弱点」と成るのである。「航空機の環境条件」=「弱点」である。
そして、「テイクオフ−ランディング」が繰り返されるのである。”地上の普通の環境条件”ではない。現在の保有するノウハウでは考えられない「新しい現象」が起る筈である。
そこに、この「アルカリ金属類の特性」がどの様に働くかに依るが、次ぎの特性を考慮すれば「弱点」として働く事は間違い無いのである。
これも「金属」としての「弱点」としての評価であるが、これが「イオン」と云う形に成って浮遊するのであるから、尚更に「弱点」となる。
では、この「4つの環境」がこの「イオン」にどの様に働いて「弱点」と成り得るのかを論じる。

>「3過特性」
・「過負荷 過温 過電」
・「常温劣化」

以上が「アルカリ金属類」に持っている事は、「専門家の常識」である。
(「過」は「満」の領域から起こる 「過負荷」は「過圧」、「過電」は「充電、発電、蓄電:3つの機能」)
これは「リチウムイオン電池」の「内部の弱点」である。

・上記の「4つの環境」がこの・「3過特性」と連動する事から「弱点中の弱点」と成るのである。

「4つの環境」+「3過特性」=「リチウムの弱点1」

ところが、この「弱点」と成る「航空機による環境条件」には、更に、その「変化の幅」では、地上では想像出来ない「変化差」を持っている。これが更に、”加速的に弱点を助長させる”「変化差」なのである。何度も云うが、「リチウム」とその「イオン」に取っては、 ”「航空機の環境条件」は典型的な弱点の見本”なのである。

・「3つの要素」(「航空機の弱点 1)
「航空機の環境条件」(3)(5)
「アルカリ金属類の特性(3過特性)」(1)、(4−1、4−2、4−3)、(6)、)
「4つの環境」(2)

「4つの環境」+「3過特性」+「航空機の環境条件」=「リチウムの弱点2」(「10要素」)

以上の条件の「3つの要素」を解決する事は容易ではない。
この「3つの要素」が互いに連鎖する事も起る。結局は「3つの要素」では無くなり「10の要素」と成る。

これに・「常温劣化」(下記)と云う「自らの内側から発する弱点」が絡むのである。この・「常温劣化」は「自然劣化」である。
つまり、この「リチウムイオン電池」の「自然劣化の進行具合」を管理し把握しておかなければ成らない事に成る。

「4つの環境」+「3過特性」+「航空機の環境条件」+「常温劣化」=「リチウムの弱点3」

この管理維持は、「過温」(1)と共に「自然環境条件」(2)に大きく左右される訳であるし、「航空機の環境条件」(3)にも大きく左右されるし、更には、「過電−(充電 発電 蓄電)」(4)にも大きく左右されるし、「航空機」に必ず伴う「気圧」の「過負荷 過圧」(5)にも大きく左右されるし、合わせて、「6つの状況」を複合的に管理維持する事は、最早、不可能である。

そもそも、日本では、「ハイブリットとEVの自動車」で実績があるとしても、この「10の要素」と、「6つの状況」と、それに付加するその「環境条件の変化」と「その幅と頻度」(7)が加われば、最早、比較出来る程度のものではない。

「4つの環境」+「3過特性」+「航空機の環境条件」+「常温劣化」+「幅と頻度」=「リチウムの弱点4」

これ等の「10の要素」と「6つの状況」を加味して「環境条件下テスト」して見なければ、”解らない領域の問題”である事は、専門家でなくても誰でもが判る。

(だから必須条件として「環境条件下テストの必要性」を論じている。”それはその程度のもの”での「染み付いた概念」では済まされない事なのだ。人命に関わるのだ。)
「リチウムの弱点4」を克服するには、果たして、「航空機の厳環境」の事に付いてどの様に成っているかを先ず論じる。それで無ければ”困難だ”としての意味が成さない。


・「上空の厳環境」
「10KM −40℃」
「10Km 0.2気圧」
「充電率 40%−50%」

例えば、因みに、「温度」は、地上から10KMまで上空に成れば、「温度」は急激に下がるが、概して平均計算して、「1KMで6.5℃±1℃」程度も下がる事に成る。
但し、これは厳密に云えば「気圧の影響」、つまり「空気密度の影響」を強く受けるが、概して云えば、上空10KMでは「−65℃±10℃」下がる事に成る。

普通は、この気圧も「5KMで1/2×地表圧」と言われているが、概して0.3〜0.5気圧とすると、10KMでは概して、「0.2気圧前後程度」と成る。

この数字は環境条件学的には恐ろしい条件である。
上記した様に、「常温」で「バイアスの範囲」が、「22度±5度」であったとすると、バイアスを適用すると「10KM −40度程度」となるので、完全に「鉱物の特性」は変化するのである。
むしろ、「分子運動」、つまり、「イオンの運動」は、そのものが「−80℃」でほぼ止まるという概容に成るので、上空「10KM −40℃」での「イオン運動」は1/2程度になってしまう。
(−273℃で完全に止まる臨界温度)
この程度の知識は物理系技術者では常識である。

当然に、この「温度」に連動して「空気の影響」は変わるので、空気の中に含まれる「湿度」も低下するし、「気圧」も「温度」と「湿度」が変われば「気圧」も連動して下がる。
上記の「10KM 0.2気圧」に成ると、「イオンに与える影響」は、「温度の影響」に付加されて下がる。
「湿度」と「気圧」は、「充電」された電気が、上空では「湿度」は極端に低下し、「気圧」で水分量が低下する為に、「放電」が起こり易く成る。
「充電−放電」に対して大きく影響すると、当然に「発電」が、先ず「10KM −40℃」で「1/2化」あれば、常識的には放電量を10%と観ると、結局は、1/2.5化して殆ど停止状態と成る。

但し、これは、何もしない場合の結果であるので、飛行中にセンサーが働き、持続的に「充電機能」が働くとすると、つまり、地上に対しては、上空の方が ”「充電に対する機能」が低下する” と云う事になる。
当然に、この様に成ると、「リチウムイオン電池」の「充電量」は「温度」と「放電」の影響で、40%〜50%程度に著しく低下する事を意味し、それは、”標準より時間が掛かる”と云う形に置き換えられる事に成る。

(下記に論じるが、「リチウムイオン電池」にはその宿命として、「電位」をある領域の中に保たなければならないとする「絶対的な規格値」がある。それが、「電位管理値 1%仕様」であってこれが働き、”標準より時間が掛かる”と云う事では済まなくなるのだ。
そして、これも下記で論じるが、その「トラブル欠陥」として発生する期は、「最大300サイクル×0.8=240サイクル」の寿命付近で必ず起こるのだ。)

これらの現象は、一度起これば ”「連続の負のスパイラル」” で起る。
”一度起これば”としているが、 「リチウム特性」(弱点)の ”「過負荷 過温 過電」の「3過特性」と「常温劣化」” で間違い無く問題が起こる事が裏付けられる。
  「3つの影響」
 ・「10KM −40℃」
 ・「10Km 0.2気圧」
 ・「充電率 40%−50%」

「上空の厳環境」は、以上の3点だけの問題ではないのだ。
(「常温劣化」の弱点もあるがこれは下記で論じる。)

・「厳環境の問題」
上記の「3つの影響」には、次ぎの「厳環境の問題」が遺されている。
「変化する温度差」
「変化する時間差」
以上の「2つの影響差」が関わって来るのだ。

この「温度差と時間差」は物理学理論では、その「物質の特性」と絡んで想定出来ない。
これは実験以外にない。
「10KM −40℃」として「4つのパーツ」はボディーに囲われているので、せいぜい「−20℃程度」と観られるが、「マッハ1程度」で飛んでいるので、ボディーの周囲は「高速気流」に依って「気圧」が下がり、従って、「温度」も下がる事に成るので、結局は、少なくとも「−30℃±−10℃程度」と成るだろう。

操縦席の下にある電気室は、「空調や圧力調」の「調整の有無」の如何に関わらず、「地上と上空の環境条件」の繰り返される変化に依って、「電気室内の温度」は、「上下の落差」の大きさと、それに伴う「気圧差」が生まれる。
ところが地上着陸では、上空の「調整の有無」は解除される事から、この「3つの影響」を受けて、結局は、この様に「温度」は、「−30℃±−10℃」から下限の「−40℃」になる事が予想出来る。従って、ここでは一応「10KM −40℃」として考える。

とすると、「変化する温度差」は「世界標準温度22℃」から「−40℃」に変化する。この落差は「62℃」と成る。
日本では4季があるので、冬期(0℃)からすると、「40℃落差」、夏期(40℃)からすると、「80℃落差」と成る。

問題となるのは、これが、”「リチウムイオン電池」にどの様な影響を与えるか”である。
地上では、「自動車」と異なり殆ど「航空機」は停止中であるので、「停止中の温度の問題」もあるが、「リチウムイオン電池」では、原則停止状態とすると、夏期40℃は上空で冷却されるので、”ある問題”を除いて問題は少ない。
冬期(0℃)の「40℃落差」が上記した様に「イオン運動」に影響を与える問題に成る。

(”上空では上記した様に、「充電に対する機能」が低下する 40−50%”)
(”ある問題”とは、下記に論じるが、「リチウムの弱点」の「3過特性」(「過負荷 過温 過電」)から来る「温度疲労」と「常温劣化」が起こる。)

 ・「航空機の弱点 2」
  「変化する温度差」
  「変化する時間差」

「変化する温度差」に続いて、続いて「航空機」で起こす「厳環境」の”「変化する時間差」”が与える影響の問題がある。
そもそも、「航空機」は「テイクオフ−ランディング」の際に、「上空の厳環境」と「地上の環境」との間に、急激な変化を起こす。
その「変化の速さ」が余りにも急激である為に、その「変化の速さ」が「パーツ全体」に、取り分け「アルカリ金属」の「リチウムイオン電池」に与える影響は大き過ぎる。
(自動車はこの航空機の弱点2を基本的には持っていない)
地上では「航空機の変化の速さ」を超える物としては、「落下速度」以外には先ず無い。ここで取り敢えず「急変」として置く。

この「変化の速さ」(急変)は下記で論じるが、次ぎの「2つの問題」を引き起こす。
「急変の2つの問題」
1 「急変」から来る「ストレス問題」  −「リチウムイオン電池」の「疲労と劣化」
2 「急変」から来る「発熱・過熱現象」−「リチウムイオン電池」の「3つの機能の低下」

では、その「急変」は「時間差」ではどの様なるか考察して見る。
上空10KMのフライトは「約マッハ1」とする。(音速324M/S−20℃)
「航空機」が、「フライト出来る最低の速さ」は「500KM/H」である。
従って、「テイクオフト−ランディング」では、最低限この範囲を維持していなくては成らない事に成る。
その「航空機」が起こす「急変」の変化域には、次ぎの「2段階のプロセス」がある事に成る。

第1段階 「マッハ1」     (324M/S−1166KM/H)→(140M/S−500KM/H)
第2段階 「マッハ1/2.5」 (140M/S−500KM/H)→(14M/S−50KM/H)(滑空)

第1段階の差は、184M/S−666KM/H
第2段階の差は、126M/S−450KM/H

概して、AVE=155M/S−553KM/H

第1段階の差は、大きいが、この領域はフライト中で、温度域と気圧域と湿度域の変化量は少ない。
第2段階の差は、第1段階184M/Sの差に対して、126M/Sと小さいが、「温度域」と「気圧域」と「湿度域」の変化量は、地上の環境に近づく為に大きい。
恐らく、「問題の発生」は、「第2段階の領域」で起こると考えられる。
そして、「問題の発生の準備段階」は、「第1段階の領域」で起こると予想出来る。
(事故の中に、この現象で起ったと見られるものがある)

この二つに別けて論じるには詳細過ぎるので、「急変の時間差」としては次ぎの数値を使う。

AVE=155M/S−553KM/Hとして置く。

下記で論じる際は、このAVE値で論じる。

兎も角も、AVE=155M/S−553KM/H が、「4つの装置」とその「周辺の基盤類」にどの様な影響を与えるかは、「環境条件下テスト」でしか掴めない事である。
概して云えば、これだけの「急変」の「温度差と時間差」は、次ぎの2つに影響を与える。
(1) 「疲労と劣化」
(2) 「3過特性」(「過負荷 過温 過電」と「3つの機能」)
以上2つに「異変」を起こすエネルギーを持っている事は間違い無い事である。
その招く結果は、「発熱・過熱現象」から「発火・破壊現象」へと「負のスパイラル」は進む事は間違い無い。
「発熱・過熱現象」から「発火・破壊現象」へと「負のスパイラル」”へ進む「プロセス論」は、下記に追々と論じる。

>「振動の弱点」
さて、次ぎは、上記「4つの環境」の一つ・「特性変化の要因」の「振動」である。
全てのどんな「振動」でも影響すると云う事ではない。
又「振動」があるからその「振動」が、そのものが問題を起こすと云う事ではない。
ではどの様に問題を起こすのかと云う事に成る。「リチウム」には問題を引き起こす要素を持っているのだ。
この場合の要素とは、「リチウムイオン電池」は他の鉱物と比べて活発に「イオン運動」を起こしている事である。
この「イオン運動」に外部から加わる「振動」との「共振現象」が起った時に、初めて「イオン運動」が加速されて過剰と成り、「発熱・過熱現象」が起るのである。
殆ど力学的には、「振動の欠陥」はこの「共振現象」が主因である。
何故ならば、「イオン」も振動しているからで、”ある特定の振動” で「イオン」と「共振する振動」で影響を受ける。
当然に「イオン」は振動しているので、「充電 発電 蓄電」(「3つの機能」)である程度の上記した様に「自然熱2」(「3つの機能熱」)を持つ。

この固有物が持つ「振動」に「共振」した事になると、「イオンの振動」に加えて「外部からの共振波」で、余計に振動を起こして「イオン」は大きく動く。依って、「自然熱1+自然熱2+共振熱」が起こり、余計に「過熱」が発生する。(「ソフト基盤類」が発する「自然熱1」もある)
この「過熱」だけでは終わらず、これによって「イオン」が「共振」により、必要以上に活動しているのに、「熱」に変換されるために「所定の充電量」は逆に低下する。

「自然熱1+自然熱2+共振熱」→「規定の充電量低下」・・・・(1)

この「逆転の状況」が加速的に振動して「過熱」が起ると、それに伴って「充電量」も益々低下して「過熱−低下」の「連続の負のスパイラル」が起る。
最早、この様になれば「リチウムの蓄熱特性」から(1)と(2)で「バーニング」以外に無く成る。

「規定の充電量低下」→「発熱・過熱」→「バーニング」・・・・?(2)

ところが、この「共振の影響(1)(2)」だけでは終わらないのだ。

・「応力に因る亀裂現象」(ショートクラック)
この「振動」に対して「共振」しない場合、つまり、「充電」が回路上オフに成る時、この「振動」は「リチウム」に「残留応力」と成って溜まり、それが「力学の原理」に従い一箇所に集中して「ストレスレイザー現象」が起こり、「亀裂」が結晶に起る。(これを”ショートクラック”と呼ぶ。)

「リチウム」はこの「ストレスレイザー」を他の鉱物より最大で起こし易い特質を持っているのだ。それは「ヤング率4.9」と「弾性率4.2」と云う特質である。
この数字が示す様に、「アルカリ金属類」の「3過特性」の「過負荷(過圧)」に相当するのだ。
「リチウム」は鉱物中、最も「過負荷」に弱い特質を持っている。内外部のストレスをためやすい鉱物だという事である。
このこのストレスが溜まった異に因って起こる「結晶間亀裂」が原因して、「リチウム」の「−極側」との間で起る「イオンの電導」は、要求される充電より低くなる為に不足と成り、結局は、「発熱・過熱現象」が起る。
当然に「過熱−低下」の「連続の負のスパイラル」が起る事に成る。
「連続の負のスパイラル」が起こる事のみならず、更にこれを加速する現象を誘発させるのである。

この「共振」による過剰な「イオン運動」は、「発熱・過熱現象」を起こすだけでは無く、この事に因って、”「−極側」に過剰と成った「リチウムイオン」が引き付けられて、「−極のカーボングラファイト」の表面に付着する現象が起こり、−極側も+極側と同じリチウムと成り、「電位差」は無く成り、「還元反応=酸化反応」と成って仕舞うのだ。「3つの機能」は停止する事を意味する。
要するに、「連続の負のスパイラル」に更にスパイラルが加わる事に成るのだ。
その「±の両極の能力」は著しく低下して、「充電−発電(供給)−蓄電」の「3つの機能」の低下が、回路の「要求量」との間にバランスと落差が起こり、シュールの法則により「発熱・過熱」は更に加速する事に成る。
この様に、2重3重の「連続の負のスパイラル」が加速して起こる特質をこのリチウムは持っているのである。
従って、この時、「共振」と「疲労」と「−リチウム析出」の「3つの現象」が、同時併発して「リチウム」には、「決定的な欠陥」として、あらゆる鉱物の中でも、特質して出現して来る特質なのである。

これは「電気的」に解決出来ない。
「共振しない範囲」で除振する以外に無い。
「共振しない範囲」の特定は、単体ではその「共振波」は判るが、この「単体の共振波」が「他の装置」にも同じに”共振する”と云う事ではない。
「4つの装置」の「ユニット状態」で「共振波」を特定しなければ成らない。
この「4つの装置」が互いに連結して固定されてのユニットでの状態で、「特定の共振波」を発生する事に成るので、故に、これを「環境条件下」の「チャンバー」の中で、「バイブレータ」と云う試験装置でテストを行わなければ成らないのだ。
特に、航空機は「−40℃」と云う ”上記の過酷条件に匹敵する環境条件下”を持つが、この事は「−40℃の極低温域」に晒される事に成る。
従って、「4つの装置」の「ユニット」には、「収縮化」と「固着化」が起こる為に、「振動」に依って起る「共振」と「疲労」と「析出」の「3つの現象」は、上空域では地上より比べられない程に、厳しくより速く起る事に成る。

これは意外に特定するのが難しく大変である。「共振波」にはある程度の幅を持っている。当然にその幅も把握しなくては成らない。
この「振動」も「温度」に依って「ユニット」が収縮・固着化するので、地表での試験だけでは特定出来ず、上記した10KMの環境下を再現してチャンバーで行わなくては成らない。
難しい環境条件テストに成る。現実に実機では大きすぎる事もあるが、「バーニング」になるから、落下の問題になるのでかなり難しい問題である。
大型装置は殆どそうであるが、「4つの装置」の室部分を仮製作してテストする事に成る。

問題は「共振波」でも「衝撃波」に近いものもある。必ずしも電波の様に一定のサイクルと云うもので無い事が多く、「共振波」の中には「衝撃波」が含まれていて、それが連動して影響していることも多い。
「航空機」にはどの様な「衝撃波」を持っているかの確認をして再現しなくては特定できないだろう。
多くはエンジンの始動から滑空中のエンジンの「振動波」と「衝撃波」であろうが、難しい再現テストと成る事が予想できる。

そもそも「リチウム」と云うよりは、「イオン」と云う物理的特質に左右される事なので、この必ず起る「発熱現象の確認」(「自然熱1+自然熱2+共振熱」)が大変で難しいのである。

筆者の経験から観て、この確認は出来ていないと考えられる。相当に経験したノウハウの持った物理系の技術者でなければ出来ないのではないかと考える。
筆者も「リチウム」ではなかったが、矢張り「イオン」の特性を利用した製品の振動試験を経験した事があるが、やはり「発熱・過熱」してその原因の特定に苦労した事を覚えている。
実は、各種の「製品メーカー」は、世界的な基準として「完成品テスト」と云うものが規定されていて、「完成した製品」を各地に搬送する事に成るが、この時に起る現象を確認するテストである。
その中に、「実車走行負荷試験」というものを必ず行うことが日本では規定されている。
走行中に起る「振動」や「衝撃」や「温度」や「湿度」等の ”現実に起る環境条件”を負荷する。
輸送梱包の ”品質レベルの劣化状況”や”製品本体に問題を起さないか”の確認テストも兼用する。
一定路上の「走行時間」や「急ブレーキ回数」や「凸凹の回数」や「高速走行距離」や「Sカーブ回数」や「熱射時間」等を故意的に負荷するのである。これに計測器機を付けてデータを採る。
この時にある「イオン装置」が熱を持った事があった。「80度の熱限界」が限界であったので一応認可されたが、念の為に「チャンバー」で再現テストを行ったが原因は判らなかった。
走行試験後に、「梱包の状態」で「環境条件下テスト」を行うのだが、「梱包」に依ってあらゆるパーツ関係が異常を来していないかの確認である。
梱包の内部の製品には、「繋ぎ目部分」にはある強度の紙テープを張り、テープ部にひずみが起こればテープは切れるかどうかのテストを行う。と云う事も平行して行うが、この走行負荷試験は比較的に問題が起る。
特に、この場合は、アフリカやシベリヤ等の輸送条件や環境条件も含む「極限の地」を想定して行うのだが、上記した「Bの過酷条件」にチャンバーでテスト再現出来ない現実負荷を加える。
(これは地上のものに対する走行テストであるが、航空機には「実機テスト」様なものがあるかは不明である。「4つの装置」の単体による実機テストか、チャンバー内での4つの装置の再現テストは必要である。)

(物理学的に、総じて「パーツの安定した特性の維持範囲」は「80度域が限界」とされている。
これを反映して、例えば精密な回路用の温度センサーでは60度から120度までの20度間隔のものが用意されているが、多くは80度を使用する。)

筆者のこの時の解析の判断では、「イオン」は「定状波形の定常運動」である。そこに「定振動」を負荷しても運動のレベルが上がるだけで、「熱」の上昇は普通は定格以上には上がらない。
つまり、”「定格レベル」を上げない”と考えられ、そこに「衝撃波」が加わり、その「衝撃波」がある「周期性」を持って起ると、その「衝撃波」で「定格レベル」がステップアップし、その「衝撃波」の周期が繰り返される事に依って、「定格レベル」のステップアップがその都度周期的に起る事で、遂には、「定格レベル」を超えてしまう現象を起こしたのではないかと結論付けた。
そもそも、「航空機」というものに対する「振動」に因る欠陥発生は、”この現象に近い症状を起こす”と考えられる。
「定格レベル域」(80度付近)では、「イオン反応」を停めれば、「元の状態」に復帰する事は理論的には判る。但し、これは理論的であって、「リチウムの特性」が働くとき「元の状態」に復帰しないのである。
実は、「リチウム」には、「3過特性」の「過温」と「過圧」に因って、「温」即ち「熱応力」、「圧」即ち「応力」を溜め込む特質を持っている。これを「残留応力」と云う。
つまり、”「ある領域」を超えると元に戻らない” のである。
この「ある領域」とは、「内部要因」と「外部要因」とが加わる事に因って、「標準の理論値」とは異なって来るのである。「環境条件下テスト」で確認が是非に必要に成るのである。
これが「リチウム」と云う ”「特殊な特性」(「3過特性」と「常温劣化」)” の所以である。

(「リチウムイオン電池」では、「外部イオン」の影響を防止する為に保護枠はプラスティクを用いるので、硬化温度の影響で65℃と成る。 下記で論じる。)

つまり、”「共振する振動波」と「周期的な衝撃波」が付加されて、「熱レベル」を上げる” と考えられれば論理的に頷ける。
その「熱レベル」が、上記の「自然熱1+自然熱2+共振熱」を超えた時に、「発熱・過熱現象]が起こると成る。このポイントで「3過特性」の「過温の弱点」を引き起こすと観られる。
「ある領域」とはこのポイントに成る。
「リチウムイオン」の「発熱・過熱現象]の原因は、この論理である。
以下の数式論が成り立つ。

「自然熱1+自然熱2+共振熱」=「ある領域」<「65℃」(プラスティク硬化温度)(下記)

この「数式論」が成り立たなくなった時に、「発熱・過熱現象]が起こる。
つまり、この「発熱・過熱現象]は「残留応力の特質」に因って、元に戻らなく成り、「負のスパイラル」が起こる事に成る。

「共振する振動波」と「周期的な衝撃波」は、「航空機」には「典型的なつき物」であろう。
それも、「定格レベル」は「自動車の数倍」と考えられる。
況して、上空10KMの「G」(引力 重加速度g M/R・Rは一定 G=g=9.8)は、10KM上空であると、物体にこの力が負荷するので、これが「共振する振動波」と「周期的な衝撃波」に大きく影響を与える事は理論的に判る。
「自動車」(ハイブリットとEV)とは、この「振動の問題」では、”その影響は桁が違う”と云う事である。

(「リチウムイオン電池」を使う「自動車」と「航空機」とでは、「3過特性」の「過温」では、自動車は「+側の過温」で欠陥に、航空機は「−側の過温」で欠陥に、と云う「真逆の現象」を起こす特質を持っている。)

それも、上記した様に、「リチウム」と云う鉱物は、この世の中での鉱物の中で最も「敏感な鉱物」であるのだ。
何しろ、”「常温、常湿、常圧」で「ショック現象」で「バーニング」を起こす”と云う鉱物なのである。決して「振動」と云う事だけではないのだ。

>「リチウム特性」
そこで、「3過特性」と「常温劣化」の特質とは別に、そもそも「リチウム」(リチウム酸化塩)とは、一体他にどんなものであるかを紹介しよう。
それで上記の事が証明出来るし、”「環境条件」に対して敏感で厄介なものである”かが判る。

この「リチウム」とは、他の鉱物に比して「最大の特質」とするものは次ぎの様に成る。
(他にもあるが、本論に直接関係のあるものを列記した。)
イ 「アルカリ金属類」に属す(敏感物質)
ロ 「比重」は0.53 (冷却剤 センサー類)
ハ 「Na」や「K」と共に水に浮く
ニ 「3過特性」(過温 過圧 過電)
ホ 「常温劣化」
ヘ 「YP 4.9」
ト 「弾性率4.2」
チ 「比熱 7.9」(冷却材)
リ 「自然発火」
ト 「常温窒化」
ヌ 「融点 180.5度」
ル 「マルテンサイト化」
ヲ 「イオン化傾向 最大」
カ 「蓄熱現象」
ヨ 「蓄圧現象」
タ 「デンドライト現象」
レ 「常磁性」
ソ 「バーニング特性」
「3大軽金属」の一つである。

・「熱限度」(「ある領域」)の検証
つまり、水より軽いのであるから、水は振動に敏感に反応するが、それより更に半分であるのだから、水よりも倍に敏感に反応するし、上記の通り如何に「振動」に極めて敏感か判る筈である。約2倍に反応する。振動のセンサーに使われている。
まぁ「敏感」であるから「充電」に使われているのだが、ところがこれだけでは済まないのだ。

その「融点」は180.54度で、上記した様に、”80度が一般的な鉱物類の使用限界”としたが、その中でも如何に「熱」に弱いかが判る。「振動」だけでないものがまた出て来た。
因みに、一般に使われている「鉄の融点は1540度」である。この事を考えれば「リチウム」は弱い中の更に「弱い鉱物」であるかが判る筈である。
南アフリカの砂漠などに行けばこの80度と云う温度は現実にあるし、放置した車の中は日本の夏でも80度に成るが、時には100℃も遥かに超える。先ずこの様な環境では一般的に使えない事が判る。
日本でもハイブリットやEV車で使う限りは、「空気の通風冷却」をつけないと無理で、精一杯の使用限界点にある事が判る。
だから、「リチウムイオン電池」の「自動車での欠陥問題」は、「3過特性」の+側に働く為に、夏期に発生していて、現在7割が「コバルトリチウム塩」を使っているが、この夏期の問題解決の為に、”使用限界付近にある状況”を解決する為に他の「+極材」を研究されている。
コバルトに変えてマンガンやニッケルや燐酸鉄のリチウムとの塩を造る方法で過剰性を抑える方法で研究(7種類)されている。(−極側もグラファイトの種類の研究)
つまり、どう云う事かと云うと、「発熱・過熱現象」が起こっても、「リチウムイオン」の過剰な「飛び過ぎ」を防ぐ事で「熱の負のスパイラル」を最小限に抑えられる対策である。
(過剰にリチウムイオンが−側に飛びすぎると−極付近に浮遊付着して+と−の両極にリチウムイオンが存在する為に両極の電位差が無くなりの「電荷イオンの発生」が無くなるのである。
終局は「発熱・過熱現象のスパイラル」が起こり、「バーニング現象」と成る。


「融点が180度」とすると、この事から、その鉱物の”「使用限界」と「安全限界」”は理論上、次ぎの様に成る。
・「使用限界」は応用物理学上では、「融点の60%付近」と云われる。つまり、「100℃付近」である事に成る。
・「安全限界」は応用物理学上では、「融点の45%付近」と云われる。つまり、「80℃付近」である事に成る。
この数字が最もリチウムの特性を考える上で重要なのである。
この「2つの限界点」から、ここに、「設計限界」と云うものがあり、「安全率」と云う概念があり数値を定める事が出来る。

第1段階は 「1.2倍」  第2段階は 「1.4倍」  第3段階は 「1.6倍」

以上3段階とされる。

普通はあまり「安全率」を上げると、「コスト」が全体に及んで仕舞うので、普通は1段階の「1.2倍」で済ます。
つまり、「安全限界」の「20%下」を使うので、「融点の35%付近]を使う事に成る。
「63℃」という事に成るので、「センサー類」は普通は「60℃」を使う事に成る。
この63℃はリチウムイオン電池を保護しているプラスティック材の硬化温度(下記)に匹敵する。

「安全限度」:63℃ ≒「プラスティック硬化温度」:65℃

この数式の意味するところは、リチウムイオン電池」の「安全限界」は「80℃付近」では無く、その手前で「外部要因」として「プラスティック材の特性」から実質は「80℃付近」は使えないのである。
80℃付近まで安全だとして使えば、その手前で、リチウムイオン電池を空気や環境条件やイオン性電気磁場等から保護していた「プラスティック保護枠」は、”硬化して亀裂”が生まれ、其処から外気が進入して「酸化」と「バーニング」を起こす事に成るのだ。

(参考 上記した「環境条件下テスト」では、この様な「応用物理学上の広域で考えた専門知識」でチェックをして、仮に「設計値」にあるとして異常が出なくても、この様な「応用物理学上の広域で考えた専門知識」で直させる事を命じる権限を持って行う。

何故ならば、「自然物理学」、「電気工学」、「設計工学」等の「専門的な広範囲」の、それもかなり研究者並の「総合的な知識と経験とノウハウ」を有している「専門域の検査技術者」なのである。
設計者は、設計工学等の単一範囲で設計しているが、現実には、「設計通り」のもので使える事は100%無いのだ。
製品などに対する「法的基準」や各種の「標準規格」も持ち合わせ、それに世界に10台とない高度な電子機器の計測器機を使いこなす技能も有していると成ると、最早、周囲は指摘に対して聞く以外に反論する根拠は持ち合わせていないのだ。むしろ、電子機器化した現在では、積極的に試作機として持ち込んで来る。その方が速く完成させられ低コストになるからだ。
 
因って、”80℃は45%で本来は安全の限界”なのだが、実質は異なる。
普通の「地上の環境条件」でも、自動車などは「安全限界」の「80℃−45%」に既に達しているのだ。
通風冷却して少しでも温度を65度まで下げる必要がある。EV車はエンジンが無い事から何とか維持出来ることに成る。夏季の炎天下に駐車している時に危険である事に成る。エンジン停止でイオンが飛ばないことから「負のスパイラル」は起こり難いが、保護枠は硬化して進行して行く事は避けられない。

航空機はこの様な「+側過温」の問題は先ず無い。リチウムイオン電池は操縦席の下の電気室に設置されているので、この熱射から来る「過温現象」は除外できる。
ところで事故の「787のトラブル」の写真を観たが、「プラスティック保護材」が溶けていた。
これは上記する「熱の負のスパイラル」が起こった証拠であるのだが、「プラスティク」は、その「材質の融点」に依って異なるが、塩ビ系であれば融点から観た安全限度はその品質の「劣化現象」の始まる点、即ち「硬化温度」は「65度±5度」である。
(プラスティック類は温度上昇で先ず「硬化現象」を起こし「軟化」し「溶融」する)
「プラスティク類」は「融点の領域」が大きく差が無いので、一般的にこの硬化温度(65℃)のポイントが使われる。
「融点」を上げるには「炭素C」や「シリコンSi」を入れると上がるが、大量に添加すると最も恐ろしい「亀裂」が生じやすい。然も、「使用の限界」は「100℃の程度」と成るが、「硬化点」の「65℃付近」は変わらない。従って、安全限度は65℃である。
とすると、「トラブル写真」は「100℃−55%」に成っていた事が判る。
つまり、明らかにバーニングする前には、事前に、”硬化温度を超え「リチウム」の「安全限度」を更に超えて使用限界”に達していた事が判る。そして、それは”何らかの欠陥(リチウムの弱点等)”が露出して「蓄熱現象(劣化現象)」が繰り返されていた事を物語る。
この様に専門的に観ると、「物理学の専門域知識」から明らかに解る事なのである。
更に、この問題を起こした「現品の破壊面」を見る事でも原因の大方は特定できる。
全てこの世の鉱物は破壊時には、必ず金属学的な証拠を残す。
上記の様に「破面工学」(下記で論じる)と云う学問があって、これで観れば解るので、「787」には伝えられるところでは「数十件のトラブルの現品」を観れば、凡そ掴める事に成る筈で、”原因と成る兆候”が出ている筈である。
因みに、鉄は衆知の金属であるが、910度(A3)以上は、理論的に金属を構成する組成の結晶的な理論からフェーライトと結晶が変化するので、使用としては限界で無理なのである。
実際に使用すると成ると冶金学的に理論的には723度(A1)以下(45% 変態点)の範囲で使う。
(400度付近限定した範囲でも冶金的な問題が起こす)

今回は「リチウム塩」であるが、鉄でも問題が起これば問題を起こした現品を見れば大筋は解るのである。これは物理系技術者の専門的な常識である。
”敏感なアルカリ金属” ではあるが、「リチウム酸化塩」も理論的にも「融点」を以って判断する事が出来て、使用の%は現実的にもこれに一致する。

・「比熱の弱点」
実はこれだけではないのだ。
「リチウム」の比熱は「0.79」であり、鉱物中最大で、”最高の「リチウム冷却剤」”と云われる様に使われる位である。「熱吸収力」は鉱物中の最大なのである。これ以上のものはない。
つまり、言い換えれば、これは”「熱源」と相対の位置”にある事を意味し、”「熱」を取り込む性質”が強いのである。これは「利点」でもあるが、「弱点」でも働く事を意味する。
これはこの世のもの条理である。「冷たい物」には、”より冷たくして良い効果を発揮する”が、必要以上に熱の高い物には一度に熱を取り込んでしまう性質があると云う事なのだ。
それも上記した様に、「急熱」(急変)には弱い事を意味する。
「熱吸収力」が良い事は、”逆の事も又真成り” で「熱」を吸収しては成らない時には困る現象と言う事に成る。
つまり、上記の様な一度何らかの原因で「発熱現象」が起これば、相乗的に熱を取り込んでしまうという事にも成る。(「蓄熱現象」と呼ぶ「リチウムの特質」である。)

その「熱」が「安全限度80℃」を超えなければ冷却効果は高いので「復元作用」が強い事にも成るが、超えると厄介である事を意味する。(65℃のプラスティック材の硬化温度があり既に80℃は使えない)

この世の物は何でもそうであるが、”限度を超えると逆効果と成る”のはこの世の条理である。
”喉元過ぎれは熱さ知らず”の例えの通り、「限度」を超えると逆の事が起る。
このリチウムはまさにこれを体現しているのだ。
この「リチウム」では、この「比熱0.79」に対しても、この「限度始点が80℃」と「限界終点が100℃」が起これば、この「比熱0.79」は逆に働く事を意味する。
この様に「弱点」が多い事が解る。
要するに、「リチウム」は「発熱・過熱」が起こってしまえば、”逆に働く弱点”を持っている事に成るのである。
ここで、「比熱0.79」で「発熱・過熱の弱点」を論じたが、ところが、この”逆の事の弱点”も起るのである。
それは次ぎの「恐怖の現象」である。

・「過冷」の「デンドライト現象」
上記した様に、超に優れた「冷却剤」に成り使われているとしたが、ところが、逆にリチウムの弱点の「3過特性」の−側に「過冷」すると、この「リチウムイオン」では、”「デンドライト」” と云う「特殊な厄介な結晶」を作り上げて、それが電池の周囲を”アメーバー”の様に伝わって「短絡ショ−ト」(レーアーショート)させるのである。この「結晶」を専門的には「樹枝状結晶」と云う。
要するに、”シダの葉”の様な「結晶体」が、「高分子のゲルの電解質」の中に出来る。
そして、それが極めて狭い間を這って外まで広がってくるのだ。
「リチウムイオン電池」は「金属イオン」の「電解ゲル液」が使われていて、その中では化学反応も起こっているので、「過冷」すると、この「デンドライト」が生じ易いのだ。
技術表現ではなく、一般的に云えば ”易い”では無い、”生じる”である。
この「デンドライト現象」は、電池内部で析出する「リチウムイオン」の発生量が極小でも起る。
つまり、”使っていなくても起る”と云う事だ。
この「デンドライト」と云う結晶は、”長い枝葉”の様に次々と伸び易い。
電池の”容器の内外側の表面”を伝って生成し伸びると、この「デンドライト」(「樹枝状結晶」)に、電池内の電導した電気が流れて「短絡現象」が起こって仕舞うのだ。(これを「レアーショートと呼ぶ)
これに依って、「リチウムイオン電池」は完全に破綻するが、その前に「充電、発電、蓄電」の「3つの機能」は当然に低下して、「全回路の要求量」と「電池の供給量」のバランスが崩れて、「発熱・過熱」の「負のスパイラル」が起こって仕舞うのだ。
つまりは、この「過冷」の「デンドライト現象」とは、「発熱・過熱」との2つの「正逆の現象」が、ほぼ同時に起る”極めて恐ろしく不思議な現象の特質”を持っているである。「処置なしの現象」である。

因みに、この「デンドライト」は「鉄」でもどんな物でも起る現象で、「鉄」では ”どんな時に起るか”と云うと、加熱して冷却する時に、その冷却がある速さで不適切に下げられると、結晶がこの「デンドライト」と云うアメーバーの様な「結晶」に成って仕舞うのだ。
これが起ると、「鉄」の場合ではあれば、「強度」が極端に低下して、一寸の力で常温でも亀裂が起こり、「鉄」は割れて仕舞うのだ。({ルートクラック]と呼ぶ)

判り易い例として、「鉄」を強くする為に「加熱と冷却」の「熱処理」を施すが、この時の「冷やし方」が悪ければこの「デンドライト」が起こって、”強くする為の熱処理”が ”逆に弱くなって仕舞う”と云う事が起るのである。
他には、橋などの構造物などで「鉄」を溶接する時に、寒い時に下手に溶接すると、周りの低温の空気に冷やされて、殆どの場合にこの「デンドライト」が起こって仕舞うのだ。「ルートクラック」と「クレータークラック」の2つのクラックが、同時に起こり溶接部は破壊する。
溶接の名手は、この現象を防ぐ為に「ラッピンク」(戻し操作)と云う操作をして、溶接の最後の部分(クレータ)に2度溶接して空気による冷却の温度の下がり方を緩やかに調節する事で防いでいる。
然し、この「リチウムイオン電池」ではこれは出来ない。”「鉄の4倍の比熱の冷却効果」”を持っているので「過冷」を停める猶予は無い。
この元となる比熱は鉱物では最高であるので、”冷却が良い”は”過冷も起こり易い”と云う事に成る。
”ここで何を云いたいか”と云うと、この現象が確実に毎回欠かす事無く起こっているのだ。
それが「航空機の環境」である。
況して、「−40度 0.2気圧」の「航空機」である。「過冷」に成る条件が余りにも揃いすぎている。「デンドライト現象」の起こす典型的な見本である。
上記した「−40℃」は地上の常温、常圧から観れば、「約3倍の過冷度」 「0.2気圧」は「約5倍の過冷度」を持っているのである。
”「過冷」と「過熱」の同時の欠陥は100%普通に航空機では起る”と云う事である。

先ず、この「デンドライト現象」が起これば”防ぎ様が無い極めて怖い現象の欠陥”で、「航空機環境の弱点」でもある。
数十件のトラブルの中に、この「デンドライト現象」と考えられるトラブルがある。
筆者の経験談から、目視では確認出来ない ”何も無いところに突然に現れるトラブル”には、この現象が多いのだ。それには必ず、原因不明の「レアーショート」等が起こっているのだ。
この「レアーショート」等には、回路を全遮断する大きい事もあるが、”瞬間的なショート”も多く、突然、「ハードの装置」が理由無く働きトラブルが起こる等の現象が起こるのはこのデンドライト現象が侵蝕している事が多い。これは専門家でなくては解らない現象で、普通は”原因不明”で片付けられる。
「−過冷」から起こる現象であるので、夏期には起こらず、主に冬の前年12月から2月頃に起こる現象である。これには物理系の専門家が観れば解る「共通パターン」が在る。
(787は冬季に起こっている。航空機は、地上の自動車の「+側過温の環境」と異なり、「−側過冷の環境」が大きく左右する。)
ただ、この「デンドライト現象」の問題には、「静電気」と同じ現象を示す事であり、”「同じ環境下」”で起こることである。「発生期の環境条件」もまったく同じである。
ただ、「静電気」は対策をすれば起こらないが、「デンドライト現象」は直らない。「発生部位」も「静電気」はある程度特定が出来るが、「デンドライト現象」はその「デンドライト」の自由自在の進行方向に向かって「レアーショート」等が発生する。
「静電気」は「チェッカー」があって対応出来るし、アースを採れば大きくは成らない。然し、「デンドライト現象」には「チェッカー」は無く対応出来ない。
つまり、「デンドライト現象」は、その「レアーショート等の方向性」と「樹枝状結晶の目視」以外に無く「経験のノウハウ」を必要とする。除去しないで、放って置けば被害は拡大するばかりである。
今回の「787の発熱・過熱対策(発火防止策)」では、この逆の「過冷」の「デンドライト現象」の対策は無い。夏期には起こらないが冬期には必ず再発する。

>「常磁性」
未だ驚くのは早い。この「アルカリ金属」のリチウムは「常磁性」である。
元々、自分に「磁性」を持っているので、下記に論じる様に、互いに引き合って「磁場」(磁界)に反応しやすい事に成る。
「磁場」(磁界)に反応し易い”と云う事は、他のものを引き寄せる力がある事に成るので、鉱物の様なもの、或いは、イオンを発するものは当然にこの「リチウムの磁界」に引き寄せられる。
”自ら「リチウムイオン」を発生させながら、自ら「磁界」を造る”と云う「離れ技」を起こすのである。
”「磁界」を造る”と云う事は、磁界方向(磁力線)に対して直角に「電流」が起り、磁界方向に対して縦に「起電力」が起る。

つまり、この原理は「起電力」の発生している方向に金属等を入れると、磁場磁界がこれを阻止しようとして、その金属に起電流が発生して金属が持つ抵抗との間で発熱現象を起こす。
「リチウムイオン電池」の置き方如何に依っても変わるが、その周囲の近々に何らかの金属類があると、「発熱現象」が起こると云う事に成る。
この「発熱現象」は本体の「リチウムイオン電池」にもこの「熱」が伝わり、電池の「充電 発電 蓄電」の「3つの機能」を低下させる。その結果、回路が要求する要求量との間にバランスが崩れ、上記した様に、本体の電池にも「発熱、過熱現象」が起こって、2重の「発熱・過熱」の「熱の負のスパイラル現象」が起って仕舞うのである。
これは何も金属に関わらず、周囲の「フリーイオン」でも電荷を持っているので、磁場磁界に引き寄せられて同じ事が起こる。
この引き寄せられる傾向は、その「イオン」を発生する鉱物の「イオン」に成り易い傾向に従うが、つまり、これを「イオン化傾向」と云う。
つまり、周囲に「イオン化傾向」の大きい物が存在すると、その周囲の「イオン」も引き寄せられて、「正規のリチウムイオン」の伝導が阻害される。そして「3つの能力」が阻害される、つまり、”弱くなる”と云う事に成る。(空気中にも「フリーイオン」は飛んでいる)

(「回路要求量>電池供給量」=「発熱・過熱」)

・「バーニング特性」
「リチウム」は鉱物の中で「イオン化」は最大であるから、故に「イオン電池」として使っているのだが、この「リチウムイオン」は「−極側」に引き寄せられるので電位が発生して電導する。
然し、この周囲に「イオン化傾向」の強い金属とか、影響力のもった「強い電荷のフリーイオン」が存在すると、それも引き寄せて、この「電導現象・発電現象」にはそれが障害と成って低下する。

ある「溶液ゲル」中にある「+極側の鉱物単体」と、「−極側の別の元素」があって、−極側の周囲に「リチウムイオンの状態」で存在する時に、両者の間では「酸化と還元反応」が生じる。

「リチウムイオン電池」=「還元反応>「酸化反応」

以上の反応式が起こり、この間に「電位」が発生して「伝導」が働くと云う、この原理に従っている。
従って、「鉱物単体側」は、”酸化されてイオン化”するのに対して、もう一方の元素のイオン側は”還元されて単体として析出”して仕舞うのである。
この時、”「還元された元素」>「酸化された元素」の方が「イオン化傾向」が大きい。”と云う事になる。

(従って、周囲に「イオン化傾向」の大きい金属を置く事は、”磁場が働いている環境”の中では危険であるのだ。本来の「リチウムイオン発生」が阻害され、且つ、「−極側」にはあっては成らない不必要な「金属イオン」が浮遊して、伝導を阻害しながら、最終は−電極にこのイオンが付着する事が起こる。)

従って、どちらが「酸化」され、どちらが「還元」されるかは、「酸化側」と「還元側」の”電位の持っている大小”に左右するので、逆の以下の反応が起こると「リチウムイオン電池」には充電されない事に成る。

「リチウムイオン電池」=「還元された元素」<「酸化された元素」

この反応が、この「磁場」に影響されて起ると、「電導現象・発電現象」は低下する理屈と成る。
つまり、「充電 発電(供給)蓄電」(「3つの機能」)の能力が低下する事に成る。
この結果、「電気回路側の要求する電気量」に対して、「発電量」が賄えなくなる事で、装置全体に「発熱・過熱の現象」が起る事に成る。

「回路要求量>電池供給量」=「発熱・過熱」→「蓄熱」→「バーニング」

要するに上記した「蓄熱特性」から「バーニング」が起こる事に成るのである。
極めて独特な「リチウムイオン電池」の危険な特性(内側の弱点)である。

 ・「プラスティック保護材の目的」
この様に、”磁性体でもあるリチウム”は、その磁場磁界に依って「周囲の金属イオン」や「周囲のフリーイオン」が引っ張られて、「充電 発電 蓄電」機能を低下させる事を起こして「破壊」と「バーニング」を起こすのである。
それだけに「リチウムイオンの反応力」は高いとも云えるのであるが、この為には、”周囲のイオン化傾向の強い一切の金属イオンを排除して”、最大限の「3つの機能」を発揮させる為に、「電池の周囲」を電位の無い「プラスティック類」で完全保護する必要があるのだ。
この様に「一切のイオン類」を排除する必要があるのだ。上記の「プラスティック保護材」はこの意味で「プラスティック」を使って周囲のイオンを排除しているのであって、単純な目的の保護材ではないのだ。それ故に、「65℃の硬化温度」は避けられないのである。

上記で、論じた様に、この為に、”耐熱温度を「安全限界の80℃」にしても、この保護材「プラスティック」の「硬化温度域65℃」に下げて、「安全限界温度は65℃」と成って仕舞う”と云う「二律背反の現象」が皮肉にも起こるのである。

勿論、上記の電池機能に無関係な「プラスティックの硬化温度65℃」に因って、間接的に引き起こした「リチウム」の「耐熱温度低下の弱点」と共に、「リチウムイオン電池」が自ら持つ直接的な「危険な特性」の「外と内の2つの弱点」でも、同じ事が起こるのである。
本来は「安全限界の80℃」と「使用限度の100℃」があるにも関わらず、これは、まさしく”「3重苦」”である。

 ・「バーニング特性」
「ジュールの法則」等に従って、「電気関係の装置」は、全て「供給と発電のバランス」が狂うと、この上記の数式論の「回路要求量。>電池供給量」=「発熱・過熱」→「蓄熱」→「バーニング」
の「リチウム」の独特な ”「バーニング特性」”と呼ばれる「危険な特性」(内側の弱点)を持っているのだ。

「リチウム(酸化塩)」が「最高の常磁体」であるとすると、下記の「参考」に並べた金属が周囲に有ったとすると、その「イオン化の強さ」の僅差で、”「還元された元素」<「酸化された元素」が起こって仕舞うのである。解り易く云えば、”電池として本来あるべき姿が逆転する”と云う事なのだ。
そうなれば、何でもそうであるが、”まともな事”は起こらない。それが、この場合は ”「常磁体」でもある”と云う事が助長して仕舞うと云う事に成るのだ。
然し、「常磁体の特性」は、本来は、「リチウムイオン電池の原理」(「3つの機能」に成る原理 下記)として使われている「利点」でもあるのに、「環境」に因って、「扱い」に因って、上記する様に「欠点」(内側の弱点)とも成るのである。

「リチウムイオン電池」の周囲の「4つの装置」には、必ず「鉄」や「アルミ」が必ず存在するので、それが”近すぎる”と、この「常磁性の問題」も「環境条件」に左右されながらも、この様な「欠点」(内側の弱点)を起こす事に成るのである。
否、「環境条件に左右されやすい特性」を加えると、「リチウムイオン電池」の ”「4重苦」”と成る。
「リチウムイオン電池」は、「ソーラーパネル」と共に、 ”未来を切り開く電源”と云われながらも、その反面で、”「4重苦」”=”「4弱点」”に苛まれる「物質像」を持っているのだ。

因みに、この「電位の順」に元素を並べたものが「イオン化傾向」の下記の順となる。
「還元された元素」>「酸化された元素」=イオン化傾向 (H=0)

 「・Li」-K-Ca-Na > Mg-Al-Ti-Mn > Zn-Fe > Ni-Sn-Pb > (H=0) Cu > Hg-Ag > Pr-Au

「リチウム」は「イオン化傾向」は、「−3.045V」で上記の通りで最高である。
Au(白金)は「+1.52V」で最大で、「約4.5V」の「イオン化差」がある。

因みに、この「イオン化差」が大きければ、「+極側のイオン」は、「常磁体」に影響して、周囲にある「別のイオン化のV」に引っ張られる事は無いので、上記する問題は起こらない事に成る。

逆に、この「イオン化差」が小さければ、「別のイオン化のV」に引っ張られて仕舞うので、上記数式論の問題が起る事に成る。

「回路要求量>電池供給量」=「発熱・過熱」→「蓄熱」→「バーニング」

当然に、「4つの装置」の周囲には、鉄(−0.44V) アルミ(−1.67V) 銅(+0.34V)等がある。
この主に「3つの金属」は、必ず「4つの装置」には「必要部品」として存在している。
「リード線や電気部品や接続部位」に使われている「銅」は、水素(H)の右(+)であるので問題は無い。
「装置の構造物」として使われている「鉄」は、2.5Vの「イオン化差」があるので、先ず問題は無い。
筆者の「経験値」ではAlとMgの付近は、「1.5V」の「イオン化差」があり、この「イオン化値V」の左領域にある為に顕著に上記の数式論の問題が起る可能性がある。

この「経験値の基準」では「1.5V領域」としてテストをしたが、「常磁体」等のイオンの行方を左右させる「誘導体の影響」を受けているので、加算されて「1V領域」でも問題を起こす可能性があるので確認する必要がある。
「経験値の基準」=「1.5V領域」

(製品や装置に依っては「1V領域」でも起る事がある。周囲に「磁性体」の様にイオンに影響を及ぼす「誘導体」が存在している事や「航空機の環境条件」やその「構造」に依っては起る事も有り得る。)

従って、「軽さ」を利用した航空機のアルミは「1.5V領域」に匹敵するので必ずテストを行う必要がある。(787は炭素繊維の本体であるが、何処まで利用しているかは不明)
この「アルミ」に匹敵するMg(−2.35)Mn(−1.18)Ti(−1.63)Zn(−0.76)は各種の合金元素としてよく使われる。
自動車にはこれを加えると剛性などの機械的強度が飛躍的に改善されるので多く使われているので「環境条件テスト」で確認を要する。
「航空機」の「リチウムイオン電池」の周囲にはその必要性がないと普通は観られる。
然し、「イオン」に対して大きく影響を及ぼす「4重苦」の「航空機の環境条件」が存在しているので、この影響を考慮に入れなければ成らない事に成る。

依って、特に「航空機」であるので、アルミ(Al合金)として存在している筈で、”どの程度の近々にあるか、どの程度の影響を受けるか、 ”「常磁体」である”とすると、「航空機の環境条件」との絡みでテストが絶対に必要なのである。
(筆者は787は何らかの影響を受けていると観ている)

これらの知識は、機械と電気の設計者は知る善しも無い。応用物理系技術者の範疇である。
故に、絶対に「環境条件下のテスト」を行い、この「問題の排除」を行う必要があるのだ。
787は「航空機」であり、”「別発注の4つの装置」”で出来ている事から、この「問題の排除」は絶対に出来ていない事を「別発注」は物語っているのだ。

「リチウムイオン電池」の周囲にはこの様なものを設置しては成らない事に成る。
つまり、周囲に少なくとも「イオン化差 1V」以上の「電位差の生じる物質」を置いては成らないのである。

・「4重苦」=「4弱点」の現実
下記に論じるが、「リチウムイオン電池」の「電位4V」は、この”「1%仕様のV」”で管理維持しないと「リチウムイオン電池」が崩壊する極めて厳しい考えられない程の宿命の数値を持っているのだ。
そこに「イオン化差 1V」の「電位差の生じる物質」や「3重苦」の大きい数値が覆い被さってくると、”1V−0.04V”で比較しても、どれたけ大きい「4重苦」かが判る。
元々「4重苦」>「管理値」と既に超えて成っているのだ。桁が違いすぎる。
対策を講じないと、この「4重苦の時点」では、既にアウトである。
だから、「環境条件下テスト」を主張している。
”「4重苦」”としたが、”「4重苦」”で終わるとした訳では決して無いのだ。
この”「4重苦」”を一つにした様な問題が、また起こるのである。
そして、それはこの世の中で最も恐ろしい対策の取り難い現象なのである。

>現象(X)(環境条件の最大の難関)
特に、経験上は、航空機にある様な「低温低湿下の環境条件下」では、この「現象(X)」が最も起こり易いのである。
つまり、上空の空気中には、「イオン運動」に「悪い影響」を及ぼす障害物が少ない環境であるからで、「温度」が高く成ると、空気は膨張し希薄になる事、空気中に含む水分の量の「絶対湿度RH」も高く成るので「水分や塵や埃」や「浮遊イオン」などの障害物が出て来る。
ところが、温度が低く成るとこの逆の現象と成る。
「高湿」は空気中に含む「水分量RH」が多く成るので、これが障害物と成り、この水分に「イオン」がリークしてイオンは少なく成る。「低湿」はこの逆の事が起る。
ところが、”「低温低湿」であれば有るほどに良い”と云う事ではないのだ。
起こる事は起こるのだが、その「起こり方」が、「低温低湿の領域」中では ”均一ではない”と云う事なのである。
「イオン」に「良い影響」を及ぼす「環境条件」(限定条件)は、「低温低湿下の環境条件下」のある限定した範囲で極めて顕著に発生するのだ。

それは、(限定条件)「温度13℃、湿度20%RH」を中心に「±2℃ ±3%」で顕著に起るのだ。

これは上記の範囲を超えて、
「下側の低温域」に成り過ぎると「金属の分子運動」が低下し過ぎて「イオン発生」が鈍化して仕舞う事、
「上側の低湿域]に成り過ぎると、空気中に存在する「フリーイオン」が活発に成り、「金属イオン」が阻害されて仕舞う事、

以上、この「2つの現象」で限定された「丁度、良い環境条件」、即ち、”「適合環境条件」(限定条件)”が生まれるのである。

「上側の低温域」に成り過ぎると、上記の内容と逆の現象が起こるのであり、この「現象(X)」の起こり方が均一では無く成るのだ。

「温度13℃、湿度20%RH」を中心に「±3℃ ±5%」の他にも、湿度、気圧、振動等に対する、この様な各種の「適合環境条件」は、この自然界の中で全ての物理現象に起こっているのだ。

”全ての物質に影響を与える自然現象”のこの「適合環境条件」(限定条件)を把握するには、「環境条件下のテスト」で、この「特定の数値領域」を「経験値」として把握する以外に方法が無く是非必要があるのだ。
では、”低温低湿”として幅を、「経験値」=「±3℃ ±5%」としているが、
「世界標準値」=「22℃(20℃)±5℃ 50%RH±10%RH」

以上とされるが、この範囲では、先ず環境条件として余り問題が起こらない範囲とされる。
世界が申し合わせた「標準の安全域」(17℃〜27℃ 40%〜60%)で、この「環境の上側と下側」に問題が起こる。

従って、如何なる理由があろうとこの範囲では環境条件における問題を起こしては成らない事に成る。
標準のここで起こせば、それは、最早、”品質ではない。「欠陥製品」と見なす。”と成る。

そこで、この「低温低湿」には、そのものの「表面状態」に大きく左右される特質を持っているが、「下側の温度」は氷点4℃の少し上側8℃、「下側の湿度」は実質の限界値の少し上側10%RH
以上のこの2つまでは配慮する必要がある。

この「狭い領域」(温度2℃ 湿度5%)は、「現象(X)」と上記の「デンドライト現象」の「ラップ域」である。
「恐ろしい現象域」の中の又「極めて恐ろしい現象域」とも云えるこの「ラップ域」は、「専門技術者」の間では「恐怖の領域」とも呼ぶ。

「専門技術者」の間では、この「8℃から10℃ 10%RHから15%RH」の「2つの現象」が起こる「ラップ領域」には神経を最大にする。
先ずテストを行う際には、事前に「チャンバー」をこの「ラップ領域」の条件にして、”起こるのか、起こらないのか、どのくらいで起こるのか”を「事前チェック」をした上で、本領域のテストに挑戦する。
そうする事で、より繊細に見逃し無くチェックが出来るし対策も確実化する。
 
この「下側の温度−湿度」の理由」には、「比熱の問題」のところでも論じた様に、「デンドライト現象」というものを起こして、「対策を立てる」では無く「収拾がつかない」の「異なった問題」に発展する領域なのである。
つまり、「現象(X)」が、この「収拾の付かない」の「デンドライト現象」の発生に依って抑制されて起こり難く成るのである。
これはこれで「現象(X)」の「対策」の様に成ってはいるが、「現象(X)」も”恐ろしい”であるので生易しいものではないのだ。

続く。

次ぎは「デンドライト現象」(詳細)に付いて



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