鈴木氏発祥の環境写真 詳細は本文参照
平安の古に使われていた紫硯石-1
写真上はかなり使い込んだ為に墨で黒く成っている。(サイズ20*35c) この硯には紫石の中にはよく観ると瑪瑙の一種と見られる田瑙の様なものも含んでいるので、かなり高品質なものでそれなりの人(貴族)が使用していたものではと考えられている。 元々この紫石は極めて硬い印象を受ける。(田瑙はダイヤモンドよりはるかに高価である。)
写真下は原石に近い状態で使用されたもので紫石の紫がはっきりと残っている。(サイズ20*15c) 紫の色は平安では高貴な色としてもてはやされた。 この地では同時に日本最古の「藤白墨」も生産された。 写真上はかなりハイレベルのものであろうし、下はある程度の汎用で楽しんだものであろう。
「紫硯」と共にここでは紫石を使っての仕上げ砥石も生産されていたと見られ砥石も遺されている。 50年前までは南紀日高地方では砂岩等の砥石の生産が行われていた。
当時、平安の貴族は、原石を余り加工せず写真のように原型を残したままでその優雅な趣を楽しんだ。 他にも保存している「紫硯」が石の原型を出来るだけ遺している。
この紫石は現地付近の山で採取されたが現在は採れず貴重である。 庭石は紀の国の特産物であるが、紫石の庭石は極めて高価なものとされる。
この紫石の「紫硯」は、多分、日本最古で他に現存しないものと考えられる。
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