青木氏のルーツ & 雑学研究室

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No.83
Re: 藤原秀郷一族の生き方-9
83編集 追加
家紋の使用に於いても、武門の賜姓青木氏や賜姓源氏と異なり、綜紋に依って一族を厳しく取り締まり「氏家制度」を守ろうとした事に対して、藤原秀郷一族は貴族である事もさる事ながら、宗家を守る361氏の秀郷系の武門の者等は自由闊達にして子孫を増やして氏を守る戦法を取っている。
ところが、この戦法は血縁という点でも特異の行動を採っている。

それは次の二つの例に依って物語る事が出来る。
先ず、足利氏の件である。
そもそも、下野の国足利郡足利庄におこる。
この地は、藤原秀郷より4代目の兼光流から祥して、7代目の成行が下野の西と上野の国堺にある地を足利の庄と称して、この地を開拓して足利太夫と称して足利氏を起した。

成行より3代目の成俊が佐野氏を分流して起し、成俊より更に3代目の基綱(佐野の藤原の基綱)の時、平氏に味方しての戦いに敗れて没落の憂き目をうけるが、清和源氏(頼信系)の義家の子義国が藤原基綱の(佐野氏の祖)娘との婚姻関係にて誕生した「義康」を跡目にいれて足利氏の再興を図った。(本家と分家の説有り)
この源氏の跡目を受けた足利氏はその後1183年以降再び土着の豪族として成長拡大したのです。
前レポートにも記した土着豪族足利氏と清和源氏との跡目とは藤原秀郷系の足利氏であつたのです。

ちなみに、同時期に「清和源氏」は5地方の「賜姓青木氏」との跡目戦略を採り、甲斐国では「武田氏」との跡目の関係を作りました。この跡目の武田氏は元は陸奥国の住人であつたものが、甲斐に移り、力を得て豪族となり、゜「清和源氏」との跡目の婚姻関係を結んだのです。
この武田氏も、秀郷より4代目の「兼光」が「陸奥の国」の守護を務めていますが、この「兼光」の陸奥の国での血縁の者ではないかと言う説もあります。
その根拠は、移り済んだ者がいきなりに豪族になる事はありません。それなりの時間と土地の武装勢力集団等を押さえ込む勢力が必要です。
この勢力は自力の勢力だけでは無理で、「寄進系荘園制」のように何らかの「権門勢家」の力が無くては絶対に「氏家制度」の中ではなし得ません。つまり、藤原の兼光一族の後ろ楯があって、土着の豪族となり得るのです。
文頭に記した様に、武田や足利の荘園は、次の様なことで出来たのです。

当時は、荘園制の下で互いの勢力争いで没落して放置した荘園とか、弱体化した荘園主から奪い、次から次えと増やして行く傾向があり、自ら、汗水流して荘園を開墾すると云うものは少なく、殆どこの形態が主で、初期のレポートでも記した様に、この奪った荘園に少し手を加えて、「領家、本家、権門勢家」の関係を作り上げていた時代でした。これが「寄進系荘園制」の実態でした。
当然、「源平籐橘」の一つ藤原氏の特に北家の傘下にある事を誇示することで、「奪取荘園」を正当化して国司や守護に届出して大きく成長して豪族となり得たのです。
そして、遂には、「権門勢家」との血縁関係を結ぶと云うのが普通のパターンでした。武田、足利の両氏はこの典型的パターンです。
これが当時の現実の「荘園公領制」の状況なのです。

「足利氏」もこの「藤原兼光の子孫」(成行−基綱)であります。
仮に、この「武田の兼光説」が正しいとするならば、つまり、゜藤原秀郷」一族はなんと「清和源氏の頼信系」の一族と「信濃と甲斐の国」の2国で網目のように血縁関係を結んび「4つ巴」、即ち、賜姓青木氏と賜姓清和源氏と土着の足利氏、武田氏と藤原氏(兼光流)の関係が出来ていたことになるのです。
この藤原氏は佐野氏系の祖の基綱であります。この佐野氏が継ぎのテーマの永嶋氏と関係があるのです。

この「4つ巴の説」は必ずしも時代性から見て矛盾がないのです。ほぼ間違いはないと考えられます。(別途記する)
この時代は前レポート記の「3つ巴」は10年程度の間に成立した戦略ですが、少し後には、平家が滅亡して鎌倉幕府が興り、北条得宗家の時代となり、坂東八平氏の御家人も次第に滅亡して行く政治状況の中でした。

奥州の藤原氏の滅亡、清和源氏の宗家(頼光系)も衰退、鎌倉幕府に実権が移り、朝廷の藤原摂関家も衰退、など次から次へと起こる不安定そのものの中で、北家の秀郷一族としては生き残りの策を実はこの「4つ巴の戦略」に架けていたのであった。

驚くかな、「4つ巴」では実はないのである。5つ巴となるのである。
だから、藤原は強かで、柔軟な生き方をしているのです。
次は永嶋氏との「5つ巴戦略」に付いて記する。続く。

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