*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
<-百物語トップ
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話
第十一話
第十二話
第十三話
第十四話
第十五話
第十六話
第十七話
第十八話
第十九話
第二十話
第二十一話
第二十二話
第二十三話
第二十四話
第二十五話
第二十六話
第二十七話
第二十八話
第二十九話
第三十話
第三十一話
第三十二話
第三十三話
第三十四話
第三十五話
第三十六話
第三十七話
第三十八話
第三十九話
第四十話
第四十一話
第四十二話
第四十三話
第四十四話
第四十五話
第四十六話
第四十七話
第四十八話
第四十九話
第五十話
第五十一話
第五十二話
第五十三話
第五十四話
第五十五話
第五十六話
第五十七話
第五十八話
第五十九話
第六十話
第六十一話
第六十二話
第六十三話
第六十四話
第六十五話
第六十六話
第六十七話
第六十八話
第六十九話
第七十話
第七十一話
第七十二話
第七十三話
第七十四話
第七十五話
第七十六話
第七十七話
第七十八話
第七十九話
第八十話
第八十一話
第八十二話
第八十三話
第八十四話
第八十五話
第八十六話
第八十七話
第八十八話
第八十九話
第九十話
第九十一話
第九十二話
第九十三話
第九十四話
第九十五話
第九十六話
第九十七話
第九十八話
第九十九話
第百話

<-百物語ランキング
<-オカルト板リンク集
<-摩訶不思議ワールド


百物語@オカルト板 2ちゃんねる
フッ・・・

第二十話

遠ざかる

語り手:くろさん ◆LdvZfU9b6I

71 :くろさん ◆LdvZfU9b6I :2006/08/11(金) 22:30:47 ID:Nm/QH+NR0
 20話目を語らせていただきます・・・

「呼ばれる」

わたしが大学生のころ、わたしの家には名前を呼ぶ何かがいた。
友達が遊びに来たとき、居間でもてなしながら
わたしは居間から扉を三つほど隔てた離れたトイレで用を足していた。
恥ずかしながらトイレのドアを開けて用を足していたら、

バン

バン

と扉が開き、トタトタトタトタと足音が近づきながら、
友達の特徴のあるイントネーションでわたしの名前を呼ぶ声がした。
トイレの扉とその部屋に入るための扉も開いていたので、
「いまトイレ、どうかした?」と大きな声で聞いたけれど、
足音はトタトタトタトタと近づいて開けたトイレの扉の手前で立ち止まった。

待たせていると思い急いで水を流して、「まった?」と顔を出すと、誰もいない。
「え?」とバンと開いた扉のほうを見ると、扉は開いていなかった。
扉が開く音は一度だけ。閉じる音はなかった。
居間にいる友達にさっき来たかと尋ねたら、ずっとここにいたという。

わたしの家にいる名前を呼ぶ何かは今もいる。

【完】


フッ・・・