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フッ・・・

第六十八話

ゴミ捨て

語り手:ドクロ ◆S2Szlotveo

244 :ドクロ ◆S2Szlotveo :2006/08/12(土) 03:44:22 ID:1v1HbZ6xO
「ゴミ捨て」

先週の話。私は母に頼まれて夜,妹と一緒にゴミ捨てに出かけた。
 ゴミ置き場のある十字路には街灯がなく,とても暗い。だけど,私は闇目が効く方だから別になんともなかった。
 一足先に出た妹にすれちがいざまに会ったら一言だけ言われた。

「人がいる」

 私は気にしなかった。別に夜の散歩だろうと…
 十字路に到着すると確かにおばさんらしき人がゴミ置き場の前に立っていた。私は気にせずその人の前を通り,ゴミを捨てる。
 その時視線を感じた。背中でもわかった。おばさんがずっとこちらを睨んでいるんだ。
 置きながら考えた。何故この人はどこかに行かないのか?だいたいここにどうしているのか?
 私は捨て終わるとそそくさと来た道を帰り,曲がり角でしゃがんだ。その間にも視線を受けて。少しだけ顔を覗かせてみるけどずっとこちらを見ている。

 「あの人おかしい」

その時,車がやって来た。これでどんな顔の人か分かるなと期待したが,そのライトに写るはずの人はもういなかった。

あれは人なのか霊なのか分からないが,どっちであったとしても嫌な経験だった。

【完】


フッ・・・