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フッ・・・

第三十九話

語り手:黒田 LIB53D4h0

138 :黒田:2006/08/12(土) 00:26:58 ID:LIB53D4h0


確かおととしぐらいの出来事です。
12月も終わりかけたその頃、私は妙な夢を見ました。
夢の中で父、母、妹、私の家族全員がゲームセンターにいて、
父と母はジュークボックスのようなものの前にいます。
そして父はそれにお金を入れてどこかに電話をかけだしたのです。
話の内容を注意深く聞いていると、親戚のおじさんに電話をしているようでした。

「S市のO(父の名前)だけどさ、N県のばあちゃん亡くなったから、
正月そっちには行けそうにない。ああ、うん・・・・・・」

びっくりして目を覚ますと、丁度部屋に来た母が言いました。
「ああY(私)起きたの。N県のおばあちゃん亡くなったから、これからN県行くよ」
その時はどたばたしていたので、新幹線の中で母に今日見た夢のことを話しました。
すると

母「え、あんたもそんな夢見たの?」
私「何、お母さんも予知夢みたいなの見たの?」
母「うーん、よくわかんないんだけどね・・・・」

母の夢は次のようなものでした。
母はいつも降りる新幹線の駅の入り口の前に立ち、道路の方を見ていました。
するとおばあちゃんの家の方から一台の軽自動車がどんどん近づいてきます。
近づいてくる車をじーっと見ていると、
運転席には私が生まれる前に亡くなったおじいちゃんが、
助手席にはおばあちゃんが座っていて、母の目の前を通り過ぎていきました。
母は、おじいちゃんは車の運転できなかったのに、どうして車を運転してるんだ?
と思った瞬間に、全てを悟ったそうです。
ああ、おじいちゃんはおばあちゃんを迎えに来たんだな、と。

【完】


フッ・・・