*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
<-百物語トップ
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話
第十一話
第十二話
第十三話
第十四話
第十五話
第十六話
第十七話
第十八話
第十九話
第二十話
第二十一話
第二十二話
第二十三話
第二十四話
第二十五話
第二十六話
第二十七話
第二十八話
第二十九話
第三十話
第三十一話
第三十二話
第三十三話
第三十四話
第三十五話
第三十六話
第三十七話
第三十八話
第三十九話
第四十話
第四十一話
第四十二話
第四十三話
第四十四話
第四十五話
第四十六話
第四十七話
第四十八話
第四十九話
第五十話
第五十一話
第五十二話
第五十三話
第五十四話
第五十五話
第五十六話
第五十七話
第五十八話
第五十九話
第六十話
第六十一話
第六十二話
第六十三話
第六十四話
第六十五話
第六十六話
第六十七話
第六十八話
第六十九話
第七十話
第七十一話
第七十二話
第七十三話
第七十四話
第七十五話
第七十六話
第七十七話
第七十八話
第七十九話
第八十話
第八十一話
第八十二話
第八十三話
第八十四話
第八十五話
第八十六話
第八十七話
第八十八話
第八十九話
第九十話
第九十一話
第九十二話
第九十三話
第九十四話
第九十五話
第九十六話
第九十七話
第九十八話
第九十九話
第百話

<-百物語ランキング
<-オカルト板リンク集
<-摩訶不思議ワールド


百物語@オカルト板 2ちゃんねる
フッ・・・

第四十五話

バス停のおじさん

語り手:クリやん ◆aHHsHtXLnA

166 :クリやん ◆aHHsHtXLnA :2006/08/12(土) 01:28:52 ID:+b2E+JKw0
第45話 “バス停のおじさん”

子供の頃は霊が見えやすいというのは、本当だと思う。

『あれは霊だったのでは?』と思ったものを初めて見たのは、小学校低学年の時だった。
その日自分は友人の家へ遊びに行くため、同行している姉の後ろを歩いていた。
その際にバス停の前を通ったのだが、子供心に『?』と思うものを見た。

バス停には数人立っていたのだが、その足元に、一人の“おじさん”が寝転んでいる。
すぐに『こころのびょうきのひとなのかなあ』と思った自分は、“おじさん”の顔を上から遠慮なく覗き込んだ。
バス待ちの人たちの足元、間をぬうように“おじさん”は寝転んでいて、目を開けたまま、瞬きひとつしない。
ひょっとして死んでいるのかと思ったが、周囲の人は気にもとめていなかった。

道草を食っている自分に姉が声をかけたので、その場を去った。
その時、横にいたおばさんにぶつかろうとしたのだが、おばさんは足元も見らすにヒョイと自分を避けた。
今、“おじさん”の体におばさんの足が当たったのでは…と思ったが、さほど気にしなかった。

暫くして、姉に“おじさん”の話をした。
自分を呼ぶ際にこちらを見ていた姉も、勿論その姿を見ていたはずだった。
しかし姉は、怪訝な顔をするばかり。そして話を一通り聞いたあとで言った。
「あたし、その人みてないよ。人なんて寝てなかったよ。」

霊というものが、あんなにもはっきりとした形だとは思っていなかった。
その土地から引っ越すまでの数年間、自分はそのバス停をちゃんと見ることができなかった。

【完】


フッ・・・