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第十八話
青白く透けて
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語り手:紙石鹸 ◆fP8/p/c8pk
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183 :紙石鹸 ◆fP8/p/c8pk :2006/07/23(日) 00:33:06 ID:tIaDLxFB0
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Mさんはバンドマンで、たまたま呑みに行った店で知り合い
話しがはずんでその日のうちにお互いの連絡先を教えあって友達になった。
とにかく酒が好きな人でハシゴしながら朝まで呑んでるタイプの人だ
『酒と音楽』 この組み合わせは何か別の物を引き寄せる力みたいなのがあるのかもしれない。
数年前、急死した友達のJも音楽関係の仕事をしていた。
死の数日前 僕のバイト先のバーに来た時「カランカラン」とドアベルの音に振り向くと
何故かJの身体が青白く透けた感じに見えた
「よお!」と普段と変わらないJだったがどこか違う感じ、、、。
(この感じ以前も違う人に感じたけど、、、まさかな、、)
「最近調子はどう?」
身体の調子を聞いたつもりだったがJは
「やっと忙しくなって来たよ、急ぎの仕事入ったからここでやるからビールと何か食い物作って」
相変わらずな態度で少し安心したが、数日後に入った連絡は「おい!Jが死んだぞ!」だった。
184 :紙石鹸 ◆fP8/p/c8pk :2006/07/23(日) 00:34:14 ID:tIaDLxFB0
2/2
そして去年の12月 またバイトの忙しい季節にMさんがやってきた。
「いやあ寒いねえ」
そう言いながら店に入ってきたMさんの身体は一瞬青白く見えた
「身体の調子はどうなの?」
Mさんは実は十数年前から血液の病気を煩っているという話を本人から聞いていた
「薬があってるせいでまだ生かせてもらってるよw」
「俺が言うのもなんだけど、酒控えた方がいいんじゃないの?」
「今まで飲み続けてまだ一度も死んでないから大丈夫wそれより今日は奢るから何か飲めよ」
いつにも増してご機嫌だった。
それから数週間後「カラン。。。」とドアベルの音がした
ドアの方に目をやるとMさんがガラスのドア越しに立ってこっちを覗いている。
「何やってんですかwいい歳して、、、」
言いかけた途中で店の電話が鳴った「けんちゃん? うちの人がたった今。。。」
Mさんの奥さんからだった。
「ええ?何言ってんの?Mさんなら今。。」
ああ、そうか、、、
ガラスのドアの向こう側にはもうMさんはいなかった。
【完】
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