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第三十二話
深夜の訪問者
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語り手:◆0Jtp6PR8p6
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244 : ◆0Jtp6PR8p6 :2006/07/23(日) 01:36:43 ID:QpiYbdkF0
三十二話 <深夜の訪問者>
昨年の秋ごろ、休みの日に母がいきなり言いました。
「あのな、お母ちゃんの部屋にこないだ三日ほど、夜中に誰かおってん」
私の部屋は母の部屋のふすま隔てた隣です。洒落になってないです。
そんな怖いこと言わんとって…と言うと、母は可笑しそうに笑います。
「笑い事ちゃうやん。誰かって誰やのん?」
「さあ?」
詳しく聞いてみますと、一晩目は夜中にふと目が覚めたら、
「●●さーん、●●さーん」と呼ぶ声が聞こえて、
部屋の中に人の気配がし、息遣いも聞こえたと言います。
二晩目は、枕元で男の声で「重たい…重たい…」と繰り返す声が聞こえたそうです。
夜中に起こされて眠いながらも母は「何が重たいんや、言うてみ?」と聞いたが返事はなく、
もちろん誰もおらんかった、と。
そして三晩目。
いきなり布団めくって誰か入って来たと言うのです。
しかし母は三日続けて安眠を妨げられてムカついてたそうで、
「誰や!何、用事あるねん!!うろうろすんな!!!」
思わず叫んで振り返ってみたが、やっぱり誰もいなかったと言うのです。
「で、それっきりでえへんようになったわ」
「お母ちゃん、それマジで怖いんやけど」
「何言うてるねん。幽霊なんかこわない。生きてる人間のがよっぽど怖い」
その後、どうも母の職場の最近亡くなった人だろうと判明しました。
「まあ、多分、やけどな。いつも鞄持って『重たい、重たい』言うてたし、
一日目の名前呼んだ声も似てた。仲良うしてたから挨拶にきはったんかなあ」
ついでに今、横でテレビ見てるんで詳細確認したら、
「あーそんなんあったなあ。忘れてた」
お母ちゃん、かっこよすぎ。私やったら絶対わすれられへん…。
【完】
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