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第五十五話
肝試し
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語り手:◆RPZE1eqCoE
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333 : ◆RPZE1eqCoE :2006/07/23(日) 03:21:49 ID:ili8+nLgO
55話
1/2
俺の地元は岡山なんだが、倉敷の阿智神社は結構ヤバイ。
境内に登る石段脇のでかい木に釘が何本も刺さっていたりするのだが、
これはまあ、どこの神社でもあるので、特に珍しくもないが、俺の兄が体験した話を一つ。
兄が高校2年の時、つまり今から18年ほど前なのだが、夏休みに男女の同級生達と阿智神社で肝試しをすることにした。
もちろん、肝試しは建前で、高校2年生という異性が気になりまくる時期に、
恐怖体験を共有して親密な仲になろうというのが目的だった。
で、男側の代表は男友達を、女側の代表は女友達に別々に連絡をして肝試しに参加する人を募って当日に集まってみたら、
20人くらいの人数が集まったらしかった。
それで、男女一組ずつのカップルが、夕方に企画者が予め境内においてきたお札みたいなものを取りに行って、
下山することになっていたのだが、この阿智神社は山の上にあり、
境内に上がる場所が3つあるので、出発地点と到着地点を別々にしていたらしかった。
それで、肝試しが始まり、一定の時間をおいてカップルが出発していったのだが、
2時間弱くらいで、すべてのカップルが特に何事もなく到着地点に着いてしまった。
それで、みんな結構親密になったりして、本来の目的は達成されたようだったのだが、
みんなが「こわかったね〜」とか話しているときに、ふと一人の女の子が口を開いた。
334 : ◆RPZE1eqCoE :2006/07/23(日) 03:25:39 ID:ili8+nLgO
2/2
「わたしのパートナーだった人はどこ?」
その女の子はすごい恐がりの子で、今回の肝試しも友達が「是非とも来て」と言うから仕方なく来たのだが、
来たことに後悔していたらしく、本当に怖がっていて肝試し中は相手の男の腕にしがみついて、ずっと目をつぶっていたらしかった。
で、肝試しが終わったときに他の子は異性と仲良くしているので、
自分もお世話になった男に礼だけを言おうと思ったら、 その男が見つからなかったらしい。
その子は、終盤くらいに出発したのだが、回りのみんなはその子に「世話になったのに顔を忘れるのは薄情だな」とか冗談を言っていたのだが、
あまりにもその子が真剣なので、じゃあ、もう一度さっきのカップルになってみよう、
ということになって、男女組を作ってみたら...、その子だけ余ってしまった。
もちろん、前述の通り、出発地点と到着地点は全然違う場所で、距離もあるため同じ人間が2回行くことは考えにくいし、
また、その子は本当に真面目な子で(優等生だったらしい)嘘を付いているとは考えられなかった。
それで、みんなも薄気味悪くなって、その場はそれで解散となったのだが、
後日、人を集めた男女の代表が呼んだ人数を確認したら、女の方が一人多かったことが分かった...。
出発地点は当時、小さな街灯が一つしかなく他の人の顔も分かりにくい状況だったので、
集まったときは男女の正確な人数は分かっていなかったらしい。
ちなみに俺の兄が男側の代表だったのだが、この事実が分かったときは、今回の肝試しを企画したことを心底後悔したって言っていた。
あと、この事は18年経った今でも謎だそうだ。
【完】
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