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フッ・・・

第三十一話

木にぶら下がるのは

語り手:DRA SA1X3S/y0

240 :DRA 1/2:2006/07/23(日) 01:34:00 ID:SA1X3S/y0
これは私が小学5年生の頃、父と一緒に通っている道場の合宿に行った時の話。

この年の夏合宿は沖縄県の離島・渡嘉敷島というところで行われた。
合宿は自己紹介、自由時間、稽古と何事もなく順調に進んでいった。
渡嘉敷島は星が綺麗で、参加者に星に詳しい人がいるということで、
夜の10時〜12時にかけて天体観測が行われる事になっていた。
自分ら小学生数名は天体観測に興味がなかったため、
一生懸命望遠鏡を覗く大人たちの傍で怪談話をしていたんだ。
丁度話が一巡し、盛り上がりが絶頂に差し掛かっていたころ、
ふと目の前にある枯れた木の枝から、何か白いものがぶら下ってるように見えたんだ。
一体なんなんだろう? と思い目を凝らしてみていると、丁度そこに一台の車が通り、
その車のライトによってその木が照らされ、それを見ることが出来たんだ・・

241 :DRA 2/2:2006/07/23(日) 01:35:04 ID:SA1X3S/y0
すると、その木には、白いシャレコウベのような物が6個も枝からぶら下がっていたんだ・・
丁度私と同じ方面を向いていた友人は何も見なかったというし、
まわりにいた大人で見た人はいなかったため その時は目の錯覚だろうと思い、
そのまま怪談話に戻って皆でワイワイやっていた。
その次の日も、渡嘉敷島には夕方辺りまでいたんだが、
変な事は何も起こらなかったため、気にも止めていなかった。

後日、ふとこの事を思い出し、渡嘉敷島について詳しい人にこの話をしてみたところ、
丁度私が骸骨を見た辺りで戦時中に6〜7人ぐらいの集団自殺があったということ。
しかも、その木の延長線上には慰霊の塔があり、
私が見た時期的にも集団自殺があったであろう日と対して差はないという・・

今年の8月、小学校5年以来、8年ぶりにその道場の合宿に参加する。
この道場の合宿は、毎年場所が違うので被ることは早々ないのだが、
場所もあの日と同じ渡嘉敷島ということ。

何も起こらなければいいんだが・・

【完】


フッ・・・